『 エンジンマウント 用 ボルト を購入 』
エンジンマウントボルト とは、エンジンをフレームに固定しているボルトの事で、通常は エンジンを側面から見て 前後 3から4ヶ所、左右分割している時には合計 6~8本ほどになる。
エンジンマウントボルトは、ホイールを固定しているボルト(アクスルシャフト)を除けば、オートバイで使われているボルト類の中で最も太く剛性の高いボルトが使われている。 と言ってしまうと、エンジンとフレームはしっかりと固定しておくものだ! という誤解されてしまうと思うけど、実はそうでもない。
エンジンは駆動力を生み出すオートバイの中で一番大きくて重い部品で、フレームはオートバイの操縦性を決めるサスペンションを取り付けてある部品で、別々の役割があるから、お互いの役割を邪魔しない様に適度に変形して揺れる関係が求められている。だから、エンジンマウントは前後に離れた 3~4ヶ所だけで固定して、一番太いボルトが採用されていないのだ。
逆に、エンジンとフレームをより強固に結び付け・固定してしまうと、例えば 後付けのエンジンガードなどでエンジンとフレームとの間で固定したり、フレームの前後方向で固定する様なエンジンガードを装着したりすると、操縦性に大きく影響を及ぼして、多くの場合は乗り難い車両になる程だ。
それほど、エンジンマウントボルトは繊細で微妙なバランスを担当している大切な部品で、今回はエンジンの前方のエンジンマウントボルトを、画像の 材質が SCM435、強度区分 が 12.9、 クロームメッキ 仕上げのボルトに交換する予定。
『 ステムの振動の悩み 』
実は、トライアンフのトラ君には、新車で購入以来、大きな悩みがある。
その一つが、フレームのステム部(フレームの最前部、ステアリング軸が固定される箇所)の剛性が不足している現象に悩まされている。
どういう現象かと言うと、走行時にステム部が振動し、その振動が安定性に悪影響を及ぼしているのだ。もちろん、ステム部はどんなオートバイでも必ず振動するが、その振動幅が大きく、振動方向が縦方向で、振動数が低いから悪影響が大きく出ているのだ。
直立・直進走行時には 直進安定性を損ない、大きな路面衝撃を受けるとフロントサスペンションが大きく揺れ出して止まらない縦チャタリングを誘発しまうのだ。この原因は、主に ステム部の後部、左右に大きく開いたフレームの形状や太さなどによって生じている剛性不足だと考えている。
例えば、ヤマハ車はステム部の振動を感じやすい設計が目立つが、振動方向は横方向の成分が主で、振動数も 400Hz 以上なので、サスペンションやタイヤとの共振は起き難い記憶がある。 しかし、初期型ストリートトリプルの場合は、縦方向の振動で、240 Hz 程度の振動数なので、サスペンションやタイヤとの共振を起こしやすく、スプリングのレートによっては直立走行時でも大きく 縦チャタリング・バウンシング を実際に数度体験している。 その為、0.6 Kgf/mm 付近のレートのスプリングは選択できない現状だ。
この振動の悪影響を避けるには、0.75 Kgf/mm 以上のレートのスプリングを採用する事と ステアリングダンパー を装着する事である程度抑制できる。 実際、標準仕様の スプリングは 0.8 kgf/mm 以上の レートを採用しているし、姉妹車・デイトナ 675 は ステアリングダンパー を標準装備している。
『 対策 』
本来ならば、ステム部のフレーム剛性を高くするか、ステアリングダンパー を装着する事で対処するべきだが、現車のステムの後部で大きく左右に開いたフレーム部に補強材を入れる事は僕の工作技術では難しいし、部品取り車・デイトナ675 から ステアリングダンパーを移設すると操縦性・レスポンスが悪くなる事が予想される。
だから、エンジンマウント ボルトの材質を変更して、フレームとエンジンとの間の関係を変えてやろうという企てだ。 実際、エンジンの シリンダー背後で固定しているエンジンマウントボルトは SMC435 材質のボルトに変更して、穏やかな特性になった事は確認済みだから、今度は シンダー前部で固定しているボルトも 同様に変更して、ステム部の振動特性を少しでも変更できればと考えている。
場合によっては、締め付けトルクを色々な値に変更して、その特性がどう変化するかを探ってみようと考えている。その為にも、ボルトの性能は高めておきたかったのだ。
エンジントラブルを解消した後になるが、この交換はとても楽しみに期待している。その為にも、エンジントラブルをきちんと解消しなくては!
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『 フィルターオイル の 購入 』
フィルターオイルというのは、エアクリーナー フィルターに塗布(塗りつける)する為の専用のオイルの事。
オンロード仕様の多くのオートバイの場合、エアクリーナーフィルター(エレメント)は オイルは使わない 乾式 で、僕のトラ君も 純正仕様では乾式だった。 でも、乾式は走行距離に応じて定期的に交換が必要で、トラ君の場合は特に、その部品代は決して安くない。 しかも、使い捨てだからエコにも良くない。
という理由で、車両購入直後から、直ぐに オイルを塗布して使う 湿式 のエアクリーナーフィルターに交換していたのだ。 その塗布するオイルが少なくなっていたので、新しく 塗布用のオイルを購入したのだ。
湿式のエアクリーナーフィルターは、コストとエコの両方でお勧めの品だ。
そして、メインテナンスも難しくない。 フィルターを取り外して、フィルター表面でオイルに捕まっている 空気中のチリやゴミをオイルと一緒に洗い流して、フィルターを乾燥させてから、新しくオイルを適量塗布してやるだけで済む。
トラ君の 現在までの走行距離は 約 13,000 ㎞ で、この間に 3~4回 メインテナンスして、その度にリフレッシュして 新品の純正フィルター購入代金よりずっと低く抑えられている上に、オイルの塗布量コントロールで多少は吸入抵抗を変えられる楽しみもあるから、間違いなくお勧めの品だ。