妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

ミーティングまで 2週間、 トラはまだ走れない

年に一度のミーティングが近づくにつれ、何故か? ガレージが遠くなった。

ちょっと悔しい。
本当は、以前通りに、触って、乗って、撮って、書いていたいけど、
小さな法人でも運営責任はあるし、大切にしている唯一無二の存在であれば尚更だ。

・・・と、言い訳をさせて下さい。

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魂とお金のバランスシート

幼い頃はほとんど意識せず、
社会に出てから気づく事がある。
若い頃には無くても気にしなかったが、
やがて、お金が無いと信頼されない事に気付く。
 
でも、それが一番大切なのか  ・・・ ?
  
 
『 資本主義社会の常識 』

社会に出て暮らし始めると、お金が無いと困る事に気づく。
それは、単に衣食住の費用に窮して困る事だけに限らない。
お金が無い者は信用も無いという認識や常識があるからだ。
 
収入が多い者は社会的地位の高い者として扱われ、
収入の多い就職先へ入社する為に勉強をするのは当然で、
その常識に乗りきれない者は負け組と言われる。
 
企業も同じで、資本金、総資産、事業規模の大きさで判断される。
それは入社希望者だけでなく、取引先や銀行、投資家でも同じ基準だ。
資産が無くて調達もできない企業は、誰にも相手をされないのが常識だ。
 
 
『 決算報告の度に ・ 』

NPO法人GRAは、公式サイトに掲載の「決算報告書」にも記載の通り、
2001年以降、「借入金」があり、昨年末決算でも残り続けているが、
その点だけに注目した議案が 「総会」に毎年の様に提出されている。

「 イベントを開催して、そこで運営資金を得る必要がある 」
「 信頼を得るためにも、借入金を全て返済が必要だ 」と
 
それは、“ お金は信用 ” という偏った社会常識からは真っ当に見える。
しかし、年度毎の収益は黒字で、ここ数年は借入金を返済しているから、
銀行や資本家的基準から見れば決して悪い状態ではない筈だ。
   
しかも 、NPO法人は、収益が第一の目的の一般企業とは違う。
社会貢献活動を行ない、貢献活動が評価されて寄付金が集まり、
それを運営資金にして活動するのが基本と理解しているが ・・・、
「お金は信用の基本」と言われ続けると、揺らいでしまう時もあった。

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『 GRA発足の目的は 』

そもそも、GRAを発足させた目的は “ お金 ” ではない。
全国的に競技系イベントを全国で振興・開催していたカワサキ社(川崎重工)が、
1990年末、翌年からの全国的な開催を中止するとの発表をした際、
それまで楽しく参加して生き甲斐にも感じていた僕は、

「 単なる “ お客様 ” で甘え過ぎていたのではないか? 」
「 主催者サイドの事を考えて十分な事をしてきたか? 」

と自問して反省した事がきっかけだった。
オートバイに乗って楽しめる環境があるなら、その環境を守り育てて、
いつまでも続く様にするのは当然な事で義務だと考えて、
それまで行なっていたDMネットワークと知人・友人の協力を仰いで発足させたのだ。

その時の反省と信念は、今も変わらない。

※参照  [ GRA 誕生のいきさつ ] ・  http://gra-npo.org/policy/explanation/birth.html


『 これから 』

レッスンや練習会などの走行系イベントの開催は年に数回程度に留めて、
“人づくり ” という当初からの目的に向けた活動を更に深めていきたい。
そして、その活動内容と状況をもっと広く発信し続けていく事で、
この活動への注目と理解を広めて、賛同や共感を広げていきたい。

それが発足当初からの目的であるし、真の賛同の輪を築く事が出来れば、
 “ 寄付金 ” の輪を広げる事に繋がると期待もしている。
そういう形こそ、NPONGO 等の本質的で一般的な形態だからだ。

お金で信頼を得るよりも、目標達成へと向かう事で信頼は得るべきだ。
目標達成できず、お金だけ残っても何の意味も無いのは間違いないから。
 
※参照  [ GRA 目標は ] ・ http://gra-npo.org/policy/explanation/target.html

  
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≪ あとがき ≫

イベント主催者の目標や理念を理解せず、参加する権利はあると考える人達。
自身の楽しみの為に、他者へのモラルを守らず、交通ルールを破る人達。
無分別に改造した車両を走らせる人達と、競って改造用品を発売する業界の人達。
新型車売上の為に、宣伝で煽るメーカーと追従する販売店、メディア業界の人達。
 
それら、権利や収益だけを考える人達が、他者の守られるべき権利を阻害し、
いつまでも、楽しく、安全に、楽しむ環境を育成している人達を挫いています。
そんな状況を少しでも変え、守り育てる人をサポートしたいと考えています。
 
 

フロントスプリング交換 と セッティング ( その3 )

・・ 前回記事 『 花嫁スプリングの性格診断 』の 続編が今回の話 ・・
 
愛車・トラ君のフロントサスペンション、方向安定性が不足の “ 持病 ” を解決の為に、フロントスプリング交換を検討中だ。
前回までの話は、フロントスプリングはとてもデリケートな設計が必要な為、どの車両メーカーも車種毎に専用設計のスプリングを採用しているほど、とても多くの仕様や性格がある事まで説明をしたところだ。


『 方向安定性を求めて 』

ライダーなら誰でも、低速走行の時、一度は怖い思いをした事がある筈だ。
行きたい方向とは違う方へオートバイが行こうとしたり、どちらへ行こうとしているか分からなくなったりした事がある筈だ。

そう感じる原因の多くは、フロントタイヤに “ 方向安定性 ” が足りないからだ。
 

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 誰もが知っている通り、オートバイにとってフロントタイヤ(前輪)は進行方向を決める大切な役割がある。 もし、フロントタイヤに方向安定性が足りないと、進行方向をはっきりと決められず、ライダーはハンドルを通じて、フロントタイヤの不安感を感じるから怖く感じるのだ。
 
 
『 方向安定性を作るには 』

方向安定性とは、フロントタイヤが向いている方向へ進もうとする力であり成分だ。
そして、方向安定性の大きさは何で決まるかと言えば、以下の通りだ。

  1. フロントタイヤの外径   ・・・     タイヤの外径が大きい程に安定する
  2. フロントタイヤの回転速度 ・・・ 速度が高い程に安定する
  3. バンク角  ・・・ 直立している時が一番安定して、バンクさせる程に不安定に
  4. トレール量  ・・・  トレール量が大きい程に安定する
  ※ その他に、タイヤのエア圧、路面の摩擦係数 なども関係する

ここから、40 ㎞/h以下の低速で バンクさせて走る場合に “ 方向安定性 ” を守るには、 「 トレール量 」が大切だとわかる。
 

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上の図の通り、「 トレール量」は どんなオートバイでも必ずあるものだ。
と言えば、「 だったら問題は無いのでは? 」と思うかも知れないが、それは違う。
「 トレール量 」は大きくなったり小さくなったり、いつも変化しているのだ。
変化は必要な事だけど、そこに悩みの原因があるのだ。
 

『 トレール量は、常に変化している 』

では、どんな時に「 トレール量」が変化しているかを図で説明しよう。

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上の図の通り、フロントサスペンションが伸びた時はトレール量は大きくて、縮めば縮むほどに小さくなる事がわかる。これは現在のほとんどのオートバイが採用しているフロントサスペンション(テレスコピック式)に共通した特性だ。

フロントサスペンションが縮むとトレール量が小さくなり、方向安定性も小さくなるから 進行方向が変わりやすくなるのだ。
つまり、コーナリングを開始する際に軽くブレーキングするか、開けていたアクセルをOFFにすれば、荷重移動によってフロントサスペンションが軽く沈み込み、トレール量が減るので方向安定性も減り、向き変えがしやすくなるからスムーズにコーナリングを始められるのはこの特性があるからなのだ。
その上、コーナリングに入ればコーナリング荷重によって沈み込みが増えるから、更に旋回性が良くなり、コーナリング中にフロントブレーキを掛ければ更に沈み込んでトレール量が小さくなるから、もっと旋回性が増すという訳だ。

こんな風に、トレール量が変化するからこそ旋回性が増し、バンクさせてコーナリングをする楽しさが味わえるからこそ、1950年代から普及し始めた「テレスコピック式」のフロントサスペンションが現在でも変わらず採用され続けているのだ。
(※ 四輪車サスペンションが変化・革新し続けているのと異なり、オートバイのその形式が基本的に変化していない理由は、ライダーが舵輪からのフィードバックを直接的に受けられる事と、トレール変化の特性がライダーのコーナリング感覚にフィットしているからだろう )

しかし、トレール量が変化するのは決して良い事ばかりではない。
最初に書いた通り、特に低速走行時に多いけど、オートバイ操作によっては「方向安定性」が足りなくなり、ライダーは怖さを感じたり楽しめなくなる原因に「トレール量」が関係しているのだ。
だから、「最適トレール量」や「最適トレール量変化」も忘れてはいけないのだ。


  ※ 次編では、『 最適トレール量を確保せよ 』を届けますので、ご期待ください

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※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
GRA・用語辞典 』( http://gra-npo.org/dictionary/top.html



 



 

 

 

フロントスプリング交換 と セッティング ( その2 )

  ・・・ 前回記事 『 花嫁スプリング選び 』の続編です  ・・・
 
 
『 花嫁候補の性格診断 』

フロントスプリング(花嫁候補)の選ぶ方法は、人間の場合と同じ(?)「 性格 」と「 体格 」が決め手になるので紹介する。

「 性格 」診断で一番大切にしている事は、柔軟性を示す【 スプリングレート 】だ。
スプリングは、タイヤ(ホイール)と人間(ライダー)の間に立って、タイヤが路面から受け取っている情報を上手にライダーに伝える役割と、オートバイとライダーの重さをタイヤに無理させず伝える役割という、とても重要な働きを任されている。

性格が優しすぎる(スプリングレートが低い)と 外圧が大きいと落ち込んでしまい、気が強過ぎる(スプリングレートが高い)と 逆に細かな事には気が利かないのだ。

 
 
『 好みは  ツインレート・娘 』

例えば、候補の中から二人(本)を並べて較べると以下の違いがある 。

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上が 「 ホンダ純正 VFR400 用 」で 下が「 トライアンフ純正 ディトナ675 用 」だ。
そして、それぞれの【 スプリングレート 】(計算値)は次の通りだ。

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上段の 「 ホンダ純正 VFR400 用 」スプリングのスプリングレートは、最初(初期レート:K0)は 0.61 Kgf/mm で、下段の「 トライアンフ純正 デイトナ675 用 」スプリングのスプリングレートは、0.96 Kgf/mm より小さい(低い)ので、荷重が小さい時には優しい性格だ。
 
そして、荷重(外圧)が大きくなった時には スプリングレートが 0.99 Kgf/mm へと変化( 2次レート:K1 )して、0.96 Kgf/mm のまま変わらない「 デイトナ675 用 」よりも 大きな荷重に耐えられる性格になっているのだ。
この様に、荷重の変化に合わせて スプリングレート が変化するスプリングを “ ツインレート ” スプリングといって、その万能的な性格が評価されてメーカー純正で多く採用されているスプリングだし、僕もこの “ ツインレート ” スプリングが好きだ。

しかし、ツインレートスプリングの難しさはここからだ。
初期レート(K0)2次レート(K1)の値の設定だけではなく、“ 変換点 ” といってスプリングが何ミリ縮んだ時にレートが変換するのかを選択するのも加わってくるからだ。
オートバイメーカーはその車種専用にツインレートスプリングを作り、テストコースで確認するノウハウがあるから可能になるが、限られた資材とノウハウでは難しい。これが、サーキットなどレースの現場では “ シングルレート ” スプリングが採用されている理由だけど、僕はレースではないから、最適なスプリングに巡り会う旅を楽しんでいるのだ。

 ・・・ 次編では、『 スプリングで、何が変わる? 』を書く予定。乞うご期待 


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※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
GRA・用語辞典 』( http://gra-npo.org/dictionary/top.html
 
 

フロントスプリング交換 と セッティング (花嫁スプリング選び) その1

『 トラ君の持病と相性と 』

昨年4月から使っていた フロントスプリング( WP バンディット400 用 )は、それ以前のスプリングと較べて 路面あたりが柔らかくて腰の低い礼儀正しい特徴があったけど、トラ君との相性は今ひとつしっくり来なかったので、一旦付き合いを止めて、サスペンションを分解して、新しいスプリングの候補を選んでいる最中だ。

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それ以前の車両と較べて、トラ君のフロントスプリングの選定に苦労しているのは、前回も書いた通り、車体設計の問題だと考えている。
エンジン特性と車体サイズと重量に惚れて購入したけど、購入直後から サスペンションの ジオメトリー設定、車体設計が原因と思われる不安定感が常に付きまとっていた。

特にフロントサスペンション周りは、直進走行時でさえ “ トレール感 ” が少なく、フロントタイヤの方向安定性が小さい上に、ちょっと大きな路面ギャップを通過した際には フロントが左右に大きく振れる現象も出ていたからだ。
主な原因は、フレーム前部・ステム部の剛性と振動特性が悪くてフロントサスペンションの上下振動に共鳴している事と、剛性に起因するトレール感の少なさだと推測できた。

対策として、2017年になるけど、改良対策された 2013年型の 上下ヨーク に交換してより大きなトレール量は確保したが、フレームは交換していないので、剛性と振動特性は変わらないから対策が必要だ。

「 さあ、どうしよう? 」
 
 
『 花嫁候補のスプリング達 』

ここに、以前お付き合いした事のある人(?)も含めて、“ 花嫁候補 ” の集合写真を撮ってみた。

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多くの人は理解していなけど、スプリング、特にフロントスプリングは見た目は似ていても、その体格や性格は一つひとつが全部違っているのだ。
その理由は、フロントサスペンションの動きはライダーが一番敏感に感じやすいものなので、スプリング特性のほんの少しの違いが、ライダーの安心感を左右するからだ。

だからオートバイメーカーは、車種毎に専用特性のスプリングを設計して狙い通りのハンドリング特性の車両になる様に力を入れているし、同じ車両で見た目や仕様が同じでも 年式が変われば違う特性のスプリングを装着している事は珍しい事ではない。
それ程に、少しの仕様の違いがオートバイの繊細な動きに影響する部品は、タイヤに次いでフロントスプリングがやって来るから、“ 花嫁 ” 選びは難しいのだ。

では、“ 花嫁候補 ” 達の サイズと仕様 から 性格と相性を探ってみよう。

    ( 次号『 花嫁候補のサイズと仕様 』は近日公開予定 )
  
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※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
『 GRA・用語辞典 』( http://gra-npo.org/dictionary/top.html

 

趣味ではなく、“ 複業 ” ( パラレル キャリア ) なのだ !

『 良い趣味ですね 』

「オートバイで走る活動をしています」と言うと、他人からは「良い趣味ですね」という言葉が返ってくる。
 
「 日本一にもなっています 」とか
「 沖縄から北海道まで、全国各地を転戦するシリーズ戦を開催していました 」と言っても“ 趣味 ” と受け止められる。
  
だから、「 NPO法人を運営しています 」と言う時にも、趣味に “ 毛が生えた ” 程度の表現で今まで納得もしていた。
でも!  今日、それは違う事に気が付いた。
 
 
“ 複業 ” ( パラレルキャリア )なのだ。
趣味でもなく、副業でもなく、立派なキャリアなのだ。
 
 
『 二つのキャリアがあるからこそ 』

単に収入を得る職では決して得られない、専門的で高度な内容の知識やスキルを、はるかに多くの人と共有する事で得られた知識や経験、情報は 僕の人生にとって重要なキャリアになっている。

だから、“ 複業 ” ( パラレルキャリア )と 言う事にする。

その “ 複業 ” で得られた事は、数多くのイベント開催を実現する為の企画力、参加者データを活用する為の RDB(リレーショナルデータベース)活用知識、全国各地の開催会場候補や協賛企業との交渉技術、広報先の各専門誌への直接訪問では業界情報を直接知り、時には専門誌に毎月 3ページ寄稿の経験もしたし収入も得た。
そして SNS、ブログ、Webサイト構築技術と経験、画像や映像の編集技術など数多くを得られたのも、この “ キャリア ” があったからだ。

もちろん、収入を得る職でもそれなりのキャリアがある。
最初に入社した会社では、社長と二人で年商数億まで売り上げを伸ばしてきたし、次に入社した会社では、一人だけの事業部の立ち上げを任されて、海外メーカーと直接交渉して専売権を得た商品は日本国内で独占的シェアを15年以上得てきた。
けれども、“ 複業 ” ( パラレルキャリア )で得た技術があったからこそ、購買専用Webサイトの構築や画像・映像の編集技術で売り上げの実績も残してきた。
 
“ 収入職 ” と “ 複業 ” の両方があったからこそ、僕の人生のキャリアが残せている事は間違いない。
だから、“ パラレル キャリア ” と言おう。  
 
 
『 どちらが大切 ? 』

では、ここで自問してみよう。

「 どちらのキャリアが大切なのか? 」と。

格好をつけて言うなら、どちらも大切です! となるが、実際にはそんなに簡単なモノではない。

収入職で毎日通勤していた頃でさえ、平日、どちらのキャリアのためにより多くの時間を割いていたかと正直に言えば、
「 それは、〇△× です 」という時代もあったからだ。

一方が主体で 残る一方が従属の関係では決してない。
だから、副業 ではなく、“ 複業 ” ( パラレルキャリア )なのだ。
 
 
『 これからの事 』

これは自問する程の事でない事ははっきりした。
GRA活動で築いたキャリア、NPO法人代表理事としてのキャリアを正当に評価せず、ただ単に 収入職 の内容や収入額だけで僕を評価する人とは、人と人として真剣に信頼し合える関係は築けないだろう。
  
そして、例え収入が良くても、“ 複業 ” を一切評価する事のない 取締役の会社より、正しく評価をする 取締役の下での職を選ぶだろう。
そうなれば、今までに得た経験や知識を発揮し、その上で、収入職で新たな経験や技能の習得に励むのは間違いないからだ。
  
収入職を辞めてから、少しみじめで自信を失いそうな時もあったけど、この “ 複業 ” ( パラレルキャリア )があったからこそ 僕の人生であり 大きな特徴なのだ! と初めて気づいて、少し幸せ感に包まれている。
 
毎日、毎日、両方の “ 職 ” (キャリア)に 追われていたままだったら、気づかなかったかも知れない。
 

「 あぁ、仕事辞めて良かった 」
 
 
 

 

正月早々、フロントサスペンションは悩みの種

『 悩みのフロントサスペンション 』

昨年から持ち越している課題だけど・・・、
トラ君のフロントサスペンションのセットアップを、
年越しで悩んでいる最中だ。
 

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オートバイのセットアップの楽しさと難しさは、
エンジンと補機類のセットアップを除けば、
サスペンションを思った通りに仕上げる事に尽きる。
 
リアサスペンションは、スプリングレートの選定以外、
プリロードと車高の設定には一定の文法があるので簡単。
しかし、フロントサスペンションは違う。
  
特に、コーナリング時のフロントサスペンションの動きは、
フロントタイヤの向きを変えるステア特性に直結だから、
難しくて思い通りにいかず、片思い恋の様に悩んでいる。
   
セットアップの基本は、好みの特性のスプリングを選定し、
その後は前後車高バランスを取り、
バウンドストロークとリバウンドストロークを、油面で調整するだけ。
  
いつも、組み上げた直後は納得していても、
一緒に過ごす時間が長いと細かな点が気になってくる。
もしかすると、結婚に似ているかも知れないね。
 
 
『 過去を振り返って 』

元々、トラ君のサスペンションは変!と言っているが、
解決の為、今まで 10種類以上のスプリングと一緒になってみたのに、
どれもしっくり来てなかった。
    
そこで、過去を振り返る事をやってみた。
現在のスプリング(WP製 バンディット400用)を入れた後、
変更内容や計測データを書き出して比較した。

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このスプリングは街中を走るには優しい性格だ。
単に柔らかいだけでなく、“ コシ ” があるのだ。
どんな路面でも優しく包み込む様にあしらってくれるのだ。
   
しかし、コーナリングになると少し様子が違う。
特に フロントブレーキで追い込む様な場面では、
トラ君の悪癖か? かなり気難しいのだ。

そんな葛藤の記録を見ていて、一つ気付いた事がある。
それは 1G' 時(乗車時)の フロント車高の低下だ。
へたりなのか?  早過ぎる。怪奇現象みたいだ?
 
 
『 次のお見合い候補は? 』

1G' 時車高はフロントフォークの突出し量の調整できる。
そして、ブレーキで追い込む領域はオイル量調整でする。
ただ、今回は “ スプリングジャダー ” で悩まされた。
 

スプリングジャダーとは、スプリングの反発現象。
2次レートへの切り替わりとエアスプリングの立ち上がり、
そしてフレームの剛性との関係で出る悪癖。
  
“ スプリングジャダー ” を解消する為にオイル量を減らし、
スプリングの変換点との干渉は減って効果挙げたけど、
今度はストロークし過ぎてハンドリング不良が出た。
  
だから、次の “お見合い候補” を検討中だ。
全長は 300 ㎜以下で 変換点は 80 ㎜ 前後、
一次レートは 0.7 Kgf/mm前後で メーカーは WP 希望。
   

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ここが難しいのは、希望にぴったり合う候補者が居ない事だ。

 
 
『 仮想実験グラフ 』

そこで登場するのが、“ 仮想実験 ” だ。
スプリング別に、荷重毎の変位(縮み)量のグラフを描く。
プリロードは、トラ君の基本設定荷重: 10 Kgf だ。
 

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縦軸が変位(縮み)量で、横軸は 荷重だ。
荷重 32 Kgf にある赤いエリアは 僕とトラ君の 1G' 時の荷重域。
エアスプリングの影響はどれも同じなので省いている。


グラフ線で途切れている箇所は、スプリングレートの変換点だ。
以前、ホンダ純正・ホーネット600用スプリングを使ったが、
一番上の青線の通り、1G' 時のすぐ近くにあった関係からか、
簡単に “ スプリングジャダー ” が発生したので使えなかった。

WP R-6 用 が条件に合いそうだが、線径が 4.5 ㎜ と細い為か、
実際に使ってみると 神経質で僕の好みとは違っていた。
こうしてみると、WP ZZ-R 1100 用 が 有力候補かも知れない。
 
以前、一度 WP ZZ-R 1100 用は使った時があった。
その時は、一次レートの高さから路面との当たりがハード気味で、
よりレートが低く優しそうなスプリングへ浮気したけど、
今は スラストベアリングも入っているから少し違うだろう。
それに、上下ヨークも替わっているからハンドリングも違うだろう。
  
期待して良いかも知れない。
( いつもこんな調子だけど ・・・ )