妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

フロントスプリング交換 と セッティング ( その2 )

  ・・・ 前回記事 『 花嫁スプリング選び 』の続編です  ・・・
 
 
『 花嫁候補の性格診断 』

フロントスプリング(花嫁候補)の選ぶ方法は、人間の場合と同じ(?)「 性格 」と「 体格 」が決め手になるので紹介する。

「 性格 」診断で一番大切にしている事は、柔軟性を示す【 スプリングレート 】だ。
スプリングは、タイヤ(ホイール)と人間(ライダー)の間に立って、タイヤが路面から受け取っている情報を上手にライダーに伝える役割と、オートバイとライダーの重さをタイヤに無理させず伝える役割という、とても重要な働きを任されている。

性格が優しすぎる(スプリングレートが低い)と 外圧が大きいと落ち込んでしまい、気が強過ぎる(スプリングレートが高い)と 逆に細かな事には気が利かないのだ。

 
 
『 好みは  ツインレート・娘 』

例えば、候補の中から二人(本)を並べて較べると以下の違いがある 。

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上が 「 ホンダ純正 VFR400 用 」で 下が「 トライアンフ純正 ディトナ675 用 」だ。
そして、それぞれの【 スプリングレート 】(計算値)は次の通りだ。

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上段の 「 ホンダ純正 VFR400 用 」スプリングのスプリングレートは、最初(初期レート:K0)は 0.61 Kgf/mm で、下段の「 トライアンフ純正 デイトナ675 用 」スプリングのスプリングレートは、0.96 Kgf/mm より小さい(低い)ので、荷重が小さい時には優しい性格だ。
 
そして、荷重(外圧)が大きくなった時には スプリングレートが 0.99 Kgf/mm へと変化( 2次レート:K1 )して、0.96 Kgf/mm のまま変わらない「 デイトナ675 用 」よりも 大きな荷重に耐えられる性格になっているのだ。
この様に、荷重の変化に合わせて スプリングレート が変化するスプリングを “ ツインレート ” スプリングといって、その万能的な性格が評価されてメーカー純正で多く採用されているスプリングだし、僕もこの “ ツインレート ” スプリングが好きだ。

しかし、ツインレートスプリングの難しさはここからだ。
初期レート(K0)2次レート(K1)の値の設定だけではなく、“ 変換点 ” といってスプリングが何ミリ縮んだ時にレートが変換するのかを選択するのも加わってくるからだ。
オートバイメーカーはその車種専用にツインレートスプリングを作り、テストコースで確認するノウハウがあるから可能になるが、限られた資材とノウハウでは難しい。これが、サーキットなどレースの現場では “ シングルレート ” スプリングが採用されている理由だけど、僕はレースではないから、最適なスプリングに巡り会う旅を楽しんでいるのだ。

 ・・・ 次編では、『 スプリングで、何が変わる? 』を書く予定。乞うご期待 


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※ 専門的な用語は、『 GRA・用語解説辞典 』に掲載していますので、参照ください
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