人生を、一度見つめ直すと決めた
あの日から、髭は伸び続けている。
半世紀、剃り続けられていた髭が、
今、新しい体験を与えてくれている。
最初は、僕に“引き籠り” をくれた。
脱落者の“レッテル” に見えたからだ。
やがて、それは他人を見る鏡になった。
スーツでいた頃とは違う反応が返ってきた。
コンビニやスーパーでは変わらないが、
堅い職業の人ほど偏見が強いようだ。
県庁や区役所へ各種手続きで行く度に、
それは確信へと変わっていった。
でも、撮った自画像を見て、彼らに同情する。
今は、あまりにも無精髭過ぎるから。
フォトショップで多少は修正したが、
やっぱり、少しは手入れがいるようだ。
さあ、面倒なトリミングか?剃り落としか?
この人生、明日は何を見せてくるのだろう?