妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

フロント車高に関する考察(その2)「セルフステア」

 

フロントの車高調整の大切さを分かりやすく解説するコラムの作成を進めている最中で、オートバイの特性をうまく説明出来ない事を見つけてしまった。それは「セルフステア」と呼ばれている、車体をバンク(傾斜)させると自動的にハンドルがバンクさせた側へ切れる現象だ。

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「セルフステア」は自転車にも備わっている特性で、TVでも見かける光景を挙げると、トライアスロン競技での中継区間を自転車を押して走る場面で、サドルに片手を置き、微妙な傾斜コントロールでハンドル操作をしながら進む選手も少なくない。

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なぜ、「セルフステア」の原理が問題になるかと言えば、前後の車高バランス調整を行なう際、車高バランスが釣り合うポイントでは、フロントの車高の 1㎜程度の違いで「セルフステア」の表われ方が変わってしまうからだ。
フロンの車高の 1㎜ の違いで「セルフステア」の表われ方が変わるのなら、「セルフステア」はフロント車高に影響されるのか? それとも、キャスター角なのかトレール量なのか、正確に理解していなければ解説はできないだろう。

そこで、「セルフステア」の発生原理について、あきらめずに探究するつもりでいるが、完全に理解している人の教えを請いたいとも考えています。下のイラストで示しているように、複数のキャスター角とトレール量を組み合わせた 4つのセットの中で、セルフステアが発生する組合せを一緒に考えて欲しい。きっと、この組み合わせの考察を深めていけば、必ず 原理が分かりやすく理解できると信じているのです。
 

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“現代っ子” の 新築くん

   
隣の 新築 くん
毎日、元気に、すくすくと育っています。
誕生した時には、きっと、見間違える姿になっているでしょう。
 
そして、今の段階だからこその “現代っ子” らしさが一杯です。
運搬が容易て、現場で簡単に組み立てられるように、
組立て公差を充分にとった、長くない部材ばかり目立ち、
数種類の木質の部材を、大胆にパズルの様に組合せ、
法律の求めに応じて、“お守り” の様な金具も打ち付け、
強度が不足する部材の端部には張り合わせ加工をして、
立派なものです。
 

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現代の車とよく似ています。
あらゆる技術を駆使しつつ、可能な範囲で安価に仕上げ、
最新の通信ネットワーク機器に対応させつつ、
安全基準には 胸を張れる車ばかりですから。
  
ただ、気になる事もあります。
国内外のサプライチェーン企業を活用して、手早く組み立てて、
最新仕様の車ほど、購入後 2~3年で壊れる家電品を連想します。
通信規格が最新でも、10年後には使えない規格にもなります。
  
幼少期、100年以上前に建築された家屋を見てきた目には、
何年間、当初の性能を発揮できるか、不安箇所ばかり。
現代っ子 ” には真の価値を見せて欲しいと願いますが、
もし、話題の “ 3Dプリンター建築 ” が同程度の価格なら、
僕は、きっと、そちらを選ぶ公算大です。
  
いや いや!
お金が無いから、車を買うにしても、30年落ちの中古を
直しながら使います !!




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『 クリニック 』イベント、受診感想文 「バイクが走ること、ようやく感じました ・」

    
  この「感想文」は、開催イベント『オートバイとライダーのための “クリニック”』を
       受診した方の、GRA 公式Webサイトに掲載した感想文を転載しています。
       コース図  や詳しい内容は、下記の URL画像 をクリックすると確認できます。
        https://gra-npo.org/publicity/impress/2022/20220327_imp.html


         ****************

こんにちは 小林さん
3/27のクリニックありがとうございました
感想文送らせていただきます

朝は、少し冷え込んでましたが 桜も咲き いい天候の元一日過ごせました


『 課題はフロントの車高調整 』

課題は、フロントの車高調整でした
以前にフロントのスプリングを0.85kgf/mmに変更しましたが 固さが気になっており、
思い切って0.70Kgf/mmに変更したので 今一度 調整を行いました

 

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・(純正は1.00で一度0.95に変更後0.85にしていましたが  0.80, 0.75は、取り扱いが
  ないとのことで0.70にしてみました)

 

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小林さんから、イニシャルとプリロードの違いの説明を受け 勘違いに気づきました
フォークを組み立ててからイニシャルをバネのレート差分 押し込んでいたのですが、
組み込み時にバネを押している分が抜けていました



『 バランス調整の後の確認走行で 』

午後より、ジグザクコースでの180度旋回の練習 ノーブレーキでのターンと、
ブレーキ使用でのターンの練習。 そののちに、ミニコースにての走行を行いました

 

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前後の前後のバランスが取れたことと、柔らかいスプリングのおかげで
以前まで、ハンドルを切りながら曲がっていたのが バイク任せで曲がっていくことが
感じられるようになりました
小林さんのおっしゃる、人が走るのでなくバイクが走るということを
ようやく感じることができました。

以上、ありがとうございます。

 

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                                ****************


【 担当講師より 】

こんにちは R さん 先日の “ クリニック ” の 受診、お疲れさまでした。
フロントのスプリングレートを交換されたと予約時にお聞きしていたのですが、なぜ、0.85 Kgf/mm から 0.70 Kgf/mm へと、スプリングレートを 2割近く変更されたとの事で、一気の大幅なレートダウンに対して、車両とライダーがどこまで対応できるかが不安でした。しかし、当日の様子で見る限りは、一歩前進、以前よりは良いバランス点が見つかりそうですね。


■ スプリングレート ■

欧州で販売されるスポーツタイプからツーリングタイプまで、フロントのスプリングレートは、この10年余り、以前よりも大幅に高く設定する傾向がある事を、様々な車両を試乗して実感しています。年々、性能が向上する一方のタイヤ性能に対応して、フル積載状態で 200㎞/h以上で路面ギャップを通過したする場面でも、フロントの安定性を失わせない対策をすれば、押しなべて 1.0 Kgf/mm や 0.85 Kgf/mm 以上のスプリングレートを採用する車両が増えた事は理解できます。しかし、残念な事に、低体重で積載重量が少ない日本人ライダーが 60㎞/h の一般道を走行する場面では、特に 雨天、路面ペイントやギャップ通過時にはグリップ感が足りず、とても楽しくない(恐いとも言いますが)思いをするのも事実です。

スプリングレートを低く下げると、路面の凹凸に対してストロークしやすくなるので、一般的にタイヤのグリップ力は高められます。 また、より長いストロークで運動荷重を支えるので、操縦性も高まります。(ストロークの長いオフロード仕様車が操りやすいのと同じです)。ただ、(無いモノねだりしても仕方ありませんが ・・・) 私の経験から言えば、あの車重と出力(加速が良いとアクセルOFF時にフロントに移動する荷重も大きい為)には 0.75 Kgf/mm 程のレートは必要かも知れません。一つのレートで全ストロークをカバーするシングルレートである事を考慮すれば、留意すべき点の一つになるでしょう。


■ 最適な 1G'時(乗車時)車高 ■

今回が 2回目の 車高バランス調整でしたが、前回より調整方法に慣れた様子で、私が外から見て確認した以外に、確認走行をしたご自身もフロント車高の高低でバランス変化を正しく感じられたのは貴重な体験でした。
バランス調整をライダー自ら正しく行なえれば、どんな車両に接しても最適な調整が出来るでしょうし、中速・中荷重以上の荷重をかけて行なう確認走行に必要な感覚に繋がるでしょう。

 

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また、既に理解されている通り、リアサスペンションの設定は、最適プリロード調整と車高調整を行なえば、リアの設定は 追加で リアスプリングのレート変更をしても変わりません。従って、その リア設定に合わせてフロントの車高を調整してえられた 1G'車高の値は、リアスプリングを変更しても、フロントスプリングを変更しても、最適な 1G'時車高 に変わりはないので 大切に記録・保管する事をお勧めします。


■ 中速・中荷重域ストローク確認 ■

今回は、フロントの設定の基本となる「前後の車高バランス調整」を行ない「最適な 1G’時車高」迄の段階は終了しましたが、ここまでは単なる基本調整です。今後は、コーナリング時の荷重を受けた際や、コーナリング中に路面ギャップ通過時にも安定性を失わない為の調整が大切ですし、ここからが本格的なセッティングになります。

当日、クリニックでもお伝えしましたが、フロントサスペンションのセッティングで常に留意すべきは、常に、「安定限界トレール量」を下回らない設定に合せる事が必要です。これは、先に述べた様に、中速・中荷重以上での傾斜走行時、路面ギャップに遭遇した場合でも フロントタイヤの“方向安定性”を失わせない為に必要な事ですし、同時に、オートバイのテクニックの中で最も楽しい事の一つ、フロントブレーキを積極的に使ってコーナリングコントロールを完遂する為にも欠かせない調整になります。どうぞ、次の機会には、中速・中荷重域でのストロークの確認と調整をお勧めします。

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■ SHOWA BFF のストローク調整 ■

変化する荷重に対応してストローク(伸縮)するフロントフォークですが、そのストローク位置をコントロールするのは スプリング です。ただし、安定限界トレール量に関係するフルボトム位置の調整は フロントフォーク内の エア室の容量、つまり フロントフォークオイルの量によって行なうしかありません。 そのため、中速・中荷重域以上での調整を行なう際には、フロントフォークオイルの量を変更する準備をされる事をお勧めします。特に、現在装着されている、SHOWA の BFF タイプのフロントフォークであれば、現地で容易にフロントフォークオイル量の調整は可能だと思われますし、それが実現できるならば、充実した セッティング作業と貴重な体験と知識が得られるのは間違いありません。

 

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中速・中荷重以上でのストローク位置でのフロントタイヤに働く力や、調整の必要性など詳しい内容については、「リポート」か 別にコラム記事で掲載したいと考えていますので、その際には、是非、参考にして下さい。

                                                                                         担当講師 : 小林 裕之


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前後の車高バランスの大切さ、知っていますか?

    
オートバイには、みなさんもご存知の通り、前後 2本のタイヤで走ります。
四輪車の半分の数のタイヤで、しかも四輪車よりもずっと細いタイヤと小さな接地面積で、四輪車と同じ様に、高速道路も走ってカーブも曲がる訳ですから、オートバイにとって、タイヤの大切さは四輪車以上なのです。

そんなタイヤの能力を適切に保って活かすには、タイヤの空気圧や摩耗レベルの管理は常識ですが、「前後の車高バランスの調整」も大切な事は意外と知られていません。
この「前後の車高バランスの調整」とは、カーブを曲がる時などに、前後のタイヤの “ 息 ” を合わせて “ 旋回力 ” を発揮できる様にする事で、この調整が崩れていると タイヤの能力が充分に発揮できないのです。

 

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基本的には、タイヤの空気調整、リアのプリロード調整とリアの車高調整を行なった後に、フロントの車高を変更・調整する事でバランスをとるのが「前後の車高バランス調整」です。

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先日開催した『オートバイとライダーのための “クリニック”』で、受診した人の状況に合せて、「前後の車高バランスの調整」を行ないましたので、その様子も画像で紹介します。

 

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フロント車高に関する考察(その1)

 
フロントの車高調整は、

タイヤ、リアのプリロード調整、そしてリアの車高の次に行なう最も基本的な調整項目だ。 雑誌やネット記事でよく目にする、「ダンパー(通称:ショック)は〇〇で、」とか、「このバイクのイニシャルはこうで」とかの記事しか目にしない人にとっては信じられなだろうが、どんなに高性能で高価なタイヤやダンパーをつけても、基本的な調整を正確に施さなければ性能を正しく発揮できないだけでなく、タイヤのグリップを失いやすく、却ってノーマルより悪くなる事は珍しい事ではない。 ダンパーやイニシャルのダイヤルを、秘密の金庫のダイヤルを回す様に、色々と回してみたって、基本的な調整がとれてなければ、厚化粧の様に誤魔化す事しか出来ないのだ。

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さて、話を戻して、基本調整項目の「フロントの車高調整」とは、リアの車高にフロントの車高を合せる調整の事だ。低速走行でチェックすれば、リアとフロントが同期して旋回を始める “フロント車高” は一ヶ所しかなく、それを外れると バランスが崩れた状態になる事は、少し慣れれば誰でも見ていて分かる程に簡単に出来る事。 ただ、今回、疑問に感じて考察をしてみたい事は、何故? フロントの車高の 1㎜の違いで フロント(前輪)の動きが変わってしまうのか? という事だ。
    
最初に考えてみた事は、フロント車高の調整によって キャスター角とトレール量が変わってしまうから、という仮説だ。しかし、ホイールベース が 1400㎜ 程ある車両で フロント車高の 1㎜ の変化で、果たしてどれ程にキャスター角やトレール量に変化が起きるかと計算してみても、乗って感じる変化の大きさとは較べられない程に小さい値の変化にしかならない。

そこで、次に考えてみた 仮想モデルが、フロントの車高を大きく変更しても キャスター角もトレール量も変化しない車両だ。実際には実在はしないだろうが、フレームのステム部の構造だけの問題なので、そういう仮想モデルは実現可能だ。それが 下の図だ。

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左側がフロント車高が低く、右側へいく程にフロント車高が高くなる。 キャスター角もトレール量も変化しないし、ホイールベースも同一にすれば、どの仮想モデルでもホイールアライメントは完全に同一だから、挙動も同じになる筈だが、現実の体験としては大きな違いが生まれる筈なのだ。この事が、悩みの本質であり、探究を深めて考察を深めて、明確な物理法則を見つけ出して、誰にも理解しやすい形で説明できる様になりたいという探究心に火を点けたのだ。

そして、考えている内に考え付いた一つの考えをイラストで表すと以下の様になる。

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イラストのように、立っているモノを傾ける際、どこを持って傾けるかによって傾けやすさやコントロール感が違ってくる事は分かるだろう。それは、きっとオートバイ側からの反応にも違いを生む事は間違いないだろう、とは言える筈だ。しかし、もう一つ、決め手に欠ける気はするし、きっと 別な方面から解読していく必要があるだろう。 誰か、この「答え」を知っている人がいれば、是非、教えてください。




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前後の車高バランス調整の後、ストローク位置の確認が絶対必要

   
3月27日開催、『オートバイとライダーのための “クリニック” 』で利用したチェック用コースを掲載しましたので紹介します。

今回の “ クリニック ” には、フロントサスペンションのスプリングを 約 2割ほどスプリングレートが低い仕様に変更して、その変化の確認と「前後の車高バランス調整」を受けたい方が受診されました。 車両は GSX-R1000で、純正仕様のスプリングレートは 1.0 kgf/mm との事(一般車両の中では最もハードな部類)で、その操縦性や安定性に不満があり、よりレートが低いスプリングに交換しても納得できなかったとの事。そこで、今回(恐らく 3~4回目のスプリング交換)は、レートが 0.85 Kgf/mm のスプリングから 0.70 Kgf/mm へと交換されたとの事でしたので、当然、確認と調整作業が必要です。

    

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確認と調整作業について説明すると、おおまかに言って 3段階あります。 最初は、10 ㎞/h 程度の低速走行で、“前後の車高バランス” が崩れていないかを確認します。 正しくバランスするポイントから少しでもずれていると、車両の動きが変わるので簡単に確認ができます。(安全が確保された路面が完全に平坦で良質である必要はありますが)
そして、調整作業は フロントフォークの固定位置を上下方向に ミリ単位で変更して、前後の車高がバランスする “バランス(調和)点” を探し出して、基本的には “バランス点” に固定します。
    
残る 二つの段階は、速度域や荷重域で言えば「中速または中荷重域」と「高速または高荷重域」での フロントの車高の確認と調整が必要です。その理由は、オートバイの楽しさ・操縦性や安全性は、フロントサスペンションがストローク(伸び縮み)する範囲に大きく左右されるからです。 特に、フロントサスペンションの分解整備を行なった後では、内部のオイル量を分解以前と全く同じにする事は出来ないので、必ず特性は変化しますので調整が必要です。まして、スプリングレートを変更した後であれば、低速度・低荷重域以上の領域では、ストローク位置が大きく変わるので、必ず調整を行なう必要があります。この作業を怠ると、特に高速・高荷重域で不必要なストロークを許す事になり、最悪の場合は重篤な結果に繋がるからです。

そこで、今回のクリニックでは、低速・低荷重域で前後の車高バランスの調整を行なった後、先ず、中速・中荷重域でのフロントサスペンションの基本的なマナーの確認をしてもらう事にして、その為の「チェック用コース」です。
   

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フロントサスペンションの調整(セッティング)を緻密に行なった経験が豊富な方であれば別ですが、安全性確保の為に、「残ストローク量」(フルボトムストロークさせた時の車高値)が 何ミリ以上必要なのか、走行確認して導き出す事は簡単ではありません。車両とライダー、そしてフロントタイヤの銘柄や摩耗度、設定値によっても変化しますが、最も安全性を脅かす走行条件、例えば 高速道路のコーナーや山岳の有料道路の下り坂コーナーの途中で、路面のギャップ・凹に遭遇した場合、フロントサスペンションにはかなりの高荷重が掛かり、フロントサスペンションは一瞬フルボトム状態に近づきます。そんな時、安全性を失わない為にも、“クリニック” での「中速・中荷重」域と「高速・高荷重」域での確認が必要なのです。
    
今回の “クリニック” での現場の状況や、「前後の車高バランス調整」の解説などは、後日、改めて 公式Webサイトで行ないますし、待ちきれない方や質問・要望のある方は、遠慮なくご連絡ください。

※ なお、ストローク位置の調整は 油面レベル(空気量)の変更でしか行なえません。 プリロード(イニシャル荷重)やダンパー調整は全く目的が違う為、便法でしか利用するべきではありません。


【 20220327・クリニック、中速域・チェック用コース 】
https://gra-npo.org/data/course/2022/20220327_c.html



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夢を大きく膨らませられた時代

豪・ABC Australia 発
1950年代から14年間、オーストラリアのタスマン島で開催されていた公道レースと、それの再現イベントの様子が映像にまとめられています。当時の雰囲気とそれに関心のある人々が今も多く楽しんでいます。
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当時の F1車両が走るレースの映像や F1 チャンピオンに3度輝いた オーストラリア出身のジャック・ブラバム氏の姿も映っています。同氏は、自ら F1チームの ブラバムを設立して、自身もチャンピオンに輝き、後に多くの有名ドライバーを輩出した事でも有名ですね。
  

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コマーシャリズムに支配されず、同志達が集って、世界を転戦していた フロンティア精神に溢れた時代でした。レース界に限った事ではないでしょうが、誰にもチャンスがありそうで、夢を大きく膨らませられた時代でした。



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