妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

妖怪名刺 (案) 出る !!

“ 妖怪 ” ブランドを使って、この世の中で活動の場を広げ、
この活動をもっとアピールしていきたいと考えている。

その目的達成の為、『 妖怪名刺 』(案)を作ってみた。

この活動を通じて、一緒に発信を考えている人、意見や提案を。

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バーエンド ウエイト考 その4

今日は、先日取り掛かっていた、バーエンドウエイトの作成だ。
ホント、苦手な旋盤加工で、しかもセンターが正確に出ていないドリリングでの穴あけ作業だから、ビットの折損と飛散に注意しながらのゆっくり作業。

目標は、32g のウエイトを2個と、38g のウエイト 2個の製作だ。

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旋盤での製作作業、
恐れていた通り (想像通り) の結果となりました。

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バーエンドウエイト、左右の重さを合わせるのが大切。
削り出した結果で、左右の重さが違ったら、重い方を少し削るのは当然。
削りすぎて軽くなり過ぎたら、もう一方を少し削る。
以上の作業の繰り返しで ・・・・・
仕上がり 32g 予定のウエイトが 23.5 g に、同じく 38g 予定が 29.2 g になってしまいました。
たくさん削り、たくさん時間掛かりました。ハイ

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やっぱり、旋盤作業は苦手。
でも、分解・組立作業はそうではありません。

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結局、試作段階で 推定された最適ウエイト: 32g に近い、29.2gを装着する事に。
想像通り、金色に光り、車体色ともマッチして、なかなか綺麗な感じだ。
後日、試走結果も報告の予定。 





スプリング 番外編 / オートバイ業界の良識について

多くの人は意識していないと思うけど、サスペンションのスプリングはオートバイの性能や性格、安全性を決定するとても大切な要素だ。 だから、“ スプリングフェチ ”と自称する僕は、いつもスプリングの事で色々と考えたり悩んだりしている。

今回、スプリングの事で色々と体験して考えている事があるけど、それはみんなにもとても関係ある事だと思うので、関心のある人は是非、読んで欲しい。



『 オートバイ業界の良識 』

今回、トラ君のリアスプリングの事で書いたけど、そのスプリングに関連して “オートバイ業界の良識” についても書いておきたい。
それは、オートバイ業界の中にある、商売優先・利益優先主義の風潮によって、オートバイを購入した人の利益や安全が軽視されている事を伝えたい。
 
僕達がオートバイを購入する時には、殆どの場合は専門誌に書かれた内容や販売店の人の言葉を聞いてから考え、それから購入を決めると思う。
じっくりと考えたくなる程に、オートバイは趣味性の高い乗り物だし、気軽に次から次に買える品物でもないし、その性能や乗り味などで楽しみも大きく違ってくるから当然だ。  

しかし、専門誌や販売店に限らず、いつも正しい事を全て伝えているとは限らないし、僕達の事をいつも考えてくれている訳ではない。
例えば専門誌でよくある事は、新型車が出る度に 「 全モデルでは〇〇に不満があった点が改善されて ・・・ 」という表現を見掛けると思う。 それが無かったとしても、新型車として登場して一番注目されている時には、「 ほとんど全てが改良されて良くなっている 」という表現しかされていないのが普通だ。 だからこそ、新型車に心が奪われそうになった僕達は、そんな華やかな記事や販売店が販売車の事の良い所だけを言う言葉を信頼して、期待をして購入を決めたりする。
 
でも、それはオートバイ業界全般が商売優先・利益優先で働いている結果で、僕達の利益や楽しみを最優先で働いていない事を忘れてはいけないと思う。
 

 

『 トラ君での体験 』

僕も乗っている トライアンフの事を伝えよう。
僕はトライアンフ車を2台持っている。 一台は いつも使っている「トラ君」(ストリートトリプル)で、もう一台は そのレーサーレプリカ車(今の表現では SS車)のデイトナ675だ。
トラ君を購入を決める際には、雑誌も読みあさった後、幕張のショー会場でその 2台を2時間以上見比べて、「 トラ君にデイトナ675のパーツを移植する事でスポーツ的走行ができそうだ 」と考えて、先ずは トラ君を1台の購入を決めたのが 2007年の暮れだ。

トラ君を新車で購入した後、直ぐにデイトナ675用のスイングアームのピポットプレート(純正品)の手配をした他、同じくデイトナ675用の社外製リアサスペンションユニットも購入手配をしたがこれが疑問の発端だった。
実は、一般道では能力を活かしきれない程に高いスプリングレートのスプリングが組み込まれていたのだ。

トラ君が納車された時に入っていた純正スプリングは、計算で 約 9.1 kgf/mm (ポンド法では 約 510 LBS / inch)で、デイトナ 675用としてセットされていたスプリングは 675 LBS / inch と 3割以上高いレートのスプリングだった。
実際、購入して暫くは 初めての車両という事もあって、「 これで乗りこなせるようにするんだ 」と疑問に思わなかったけど、他の車種と乗り較べている内に、徐々に 「 このスプリングレート では使えないのでは? 」と考える様になって、最初は 625 LBS / inch のスプリングに換装して、その乗り易さの変化に感激して、次に 600 LBS / inch を経験して 、そして 575 LBS / inch の 仕様が 一般道だけでなく スポーツ的走行で一番最適だと確信したのが購入7ヶ月後の事だった。

「 この 675 LBS / inch という異常に高いレートのスプリングで 他の人は楽しめているのかな? 」という疑問を抱き始めた頃、その疑問を解消できる体験があった。



デイトナ675 の街中走行 』

トラ君の部品取り車(ドナー車)として 中古の真っ赤なデイトナ675 を購入した。
車両は全くノーマル車だったから リアには 675 LBS / inch のスプリングが入っている訳だけど、そのまま自走して自宅に戻る道中、「 このオートバイ、サスペンションの設定がハード過ぎて、一般道を真っ直ぐ走るのも楽しめないし、リアのグリップが感じられないから街角を曲がるのも怖い! 」と恐怖さえ感じながら帰った体験だ。

それまでも、日本のレーサーレプリカ車(SS車)と言われる車両、NSR250Rを始めとして CBR900RR など、に乗った体験は数多くあるけど、街角を曲がるのに恐怖に感じた事はないし、こんなにハードな設定のサスペンションの車両は無い。
もちろん、メーカーがレース専用車、またはそれにかなり近い特殊な車両として販売しているならば文句は無い。が、ナンバープレートを付けて一般ライダーが走る事が想定できるならば、少なくとも 専門誌のライター や 販売店の担当者は「 特殊な車両ですから、それなりの用途や割り切りが必要ですよ 」と言うべきだろう。

しかし、興味ある車両は寸法から重量まで読み、インプレッション記事も何冊分かストックして検討している僕に限らず、購入した後で「 こんなモノかな? 」「 乗り方が悪いのかな? 」と思ってしまう人達にとって、利益を損ねているだけでなく、安全の危険性にも繋がる良識の問題だと思う。



『 業界への警鐘は 』

これは トラ君のメーカーや兄弟車種の事を悪く言いたくて書いているのではなく、業界全体として売上に繋がらない事は言わず、良い面だけをライダーに伝え続けている弊害の大きさを言いたいからだ。

例えば、カスタムバイクが雑誌を賑わせた 1990年代、雑誌にはどう見ても操縦性や安全性、環境騒音を疑わせる車両が載り、ライターは良さそうな事ばかりを書き、パーツメーカーは車両全体の操縦性や安定性にはさほど配慮されていない部品の広告を出して販売をしていたのが普通だし、今もそれは続いている様に見える。

また、オートバイは乗る人の体格や技量で選ぶべき安全性とモラルが問われる乗り物なのに、メーカー正規販売店でさえ、乗る人の体格に合わせ「 足着き性を良くておきますので、安心して乗れますよ 」と言って、操縦性と安全性に大きく影響する 低車高化の改造を平気で行なうのは最近に始まった事ではない。

そして、それら業界全体の良識問題に対して警鐘を鳴らす人が少ないのも大きな課題だろう。



『 これからの事 』

今回は、自称  “ スプリング フェチ ”の僕が経験した スプリング談をきっかけに書いたけど、これからは スプリング以外の切り口を通して、僕達が頼らなくてはいけない オートバイ業界全体を良くしていくための記事を書いていきたいと思っている。

その時には、「 妖怪・小林 」としてではなく、「 GRA代表 」として書く事になると思うので、NPO法人GRA の記事も時々は注目してもらえると嬉しい。




< 追伸 >

では、スプリングやサスペンションユニットの事で、今回と同じ様に疑問を持つ事ばかりだったかと言えば、そうではない。 逆に、きちんと 優れた知識と経験を基に配慮溢れた製品メーカーを知っているからこそ、今回の事を残念に思っているのだ。

それは 1990年代、当時所有していた ブロス という車両で体験した事で、前後サスペンション用にオランダのWP社(当時の社名はホワイトパワー)の製品を購入して装着したところ、それはとても良く出来た製品で、ほとんどセッティング出しに苦労する事なく、車両の性能を大幅に向上させる“魔法の杖”みたいな製品だった。
 
特に目を惹いたのは フロントのスプリングで、通常であれば 純正のスプリングと同等のスプリングレートで純正と同じ長さの製品を販売するのが普通だけど、当時の WP社のブロス用の フロントスプリング は、スプリングの線径がずっと太く、全長もずっと長く、純正の カラー(フォーク内部のスペーサー)を取り外して装着する指定だった。(こんな仕様の製品は 後にも先にも見た事が無い)

実際に使ってみると製造者の意図がはっきりと伝わる製品で、フォーマルにもスポーティにも懐深く受け止めてくれたので、当時参加していたジムカーナ競技では連戦連勝が楽に達成できたほどだった。
こんな完成度の高い製品を作るには、車両を購入して、熟練のテスターがスプリングやユニットを数種類試作して、実走行テストを行なわなければ不可能な事だ。
そのお蔭で、僕はオートバイの走らせ方を 熟練テスターに学ぶ事ができたと信じているから、逆に、ロクに走行テストを行なわず、商売優先・利益優先の様な製品を見る度にちょっとした怒りも覚えているのだ。

 

リアスプリング フローティング化 (その7)

『 600 LBS/ inch から 575 LBS/ inch へ換装 』

リアサスペンションユニット、実際に車両に装着して走ってみると、スプリングレートが若干高い事が判明。

そこで、600 LBS/inch から 575 LBS/inch のレートのスプリングへの換装が完了した。

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さあ、車両に装着して確認しなくては。
今日は、前回の試乗で問題を確認したので、フロントサスペンションのセットも修正する予定だ。
明日は、イベント、『 自由練習会 』 の開催が待っている。
 

 
『 笑いの試乗 』

報告!
装着して、一般道を走り始めた時からスプリング変更以前とは違っていた。
600 LBS/ inch のスプリングの時はリアの声が大きく身体に響いていたのが、575 LBS/ inch のスプリングに換装した後は フロントとリアが鮮やかなデュエットで歌い出したんだ。
   
そう!チューンが合ったというか波長が合ったんだと思う。前と後ろのバランスが揃った感じで、直線を走っているだけで嬉しいといったらもう!  停止線に停まっただけで笑いたくなった、いや笑った! 程でした。
そして、換装前はターン開始時にちょっと前と後ろの間で不協和音が流れて、意志疎通が出来ていない感じで、嫌な気持ちが溢れていたけど、今回は スムーズに前後が無理を言い合わず違う感覚がビンビン。

あぁ、でもフロントのストローク感がちょっと舌足らずなので、2㏄か3 cc フォークオイルを抜いていこう。
1G‘ 時(乗車時)の車高には大きな問題はなさそうだ。

 
 
『 フロントの調整 』
試乗の結果、フロントサスペンションのストローク感を出すために フォークオイル抜くことを決め、思い切って 3cc 抜く事にする。

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何事にも、バランスが出てきている時には、その調整量には十分に気をつけなくてはならない。 バランスが反転するポイントだからだ。
フォーク内部のカラーは、フォークオイル調整に備えて、スリット加工済み。
フォークオイルを抜く為のシリンジにつくパイプも、フォーク内部、アウターチューブとカートリッジとの狭い隙間でも挿入出来るように加工済みだ。

 

カラー(スペーサー / スプリングガイド)に開けたスリットから、カートリッジ延長用の自作アダプターが顔を出す。
また、カラーの下座面には、スプリングのストレスフリー化のため、組み込んだスラストベアリングセットの横顔が見える。

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フロント周りを触った時は、各部のストレス(応力)を取り去るために、必ず行なうのがフロントフォークの整列作業だ。

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必ず直立状態にした状態で、最初に各部品を結びつけているピンチボルトを軽く緩めてストレスを発散させてやる。
そして大切な部位から順に決めた締め付けトルクで締めていくが、その締め付けトルクは、下ヨーク( 通称 三又 ) が メーカー指定の 20 Nm から 16 Nm へ、上ヨーク ( トップブリッジ) が指定の 26 Nm から 22 Nmへ、 アクスルシャフト 固定用は 22 Nm を 20 Nm に変更して、いつも同じ値になるようにする。
小さな事だけど、締め付けトルク値 や 締め付け順を変えてしまうと 車両が別の表情になってしまので 要注意だ。
 
さあ、これで一段落だ。
明日のイベント・自由練習会で使用する機材をパッキングして帰宅だ。
いつもの会場、いつもの路面でどんな顔を見せてくれるか、楽しみだ!



『 番外編・フロントデータ記録 』

前回の仕様での試乗で リアとフロントがマッチしていない事が判明し、気持ち良い働きを見せるようになったリアを元に戻す事は考えず、フロントをリアに合わせて仕様変更を検討する事になった。
そして、その仕様変更を行なう為には、以前からのフロントのデータを参照するのが最善の策だ。

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そのデータの中で最も重視するのは、0G 時 と 1G'時 のフロントの車高と 残ストロークの値。そして、その際の 使用タイヤ銘柄と試乗インプレッションだ。
フロントの基本的な性格は その 0G時(伸びきった時の)車高と 1G' 時(乗車時)車高、そして縮みきった時の車高・残ストローク で決まると言ってよく、それは 使用するスプリングとオイル量、セット位置で決まる。

     *  *   以下、完全に番外編   *  *
  
スプリングの性格(仕様)によって、負荷の大小による 1G’ 時の位置からの変化量、変化速度が変わり、それがオートバイの旋回時の性格と特性を決めしてしまう。
つまり、サスペンションはスプリングによって性格がほぼ決まり、オイル量やセット位置によって扱いやすい領域に合わせていくのが基本なのだ。
  
誤解してはいけないのが、イニシャル荷重(プリロード)とダンパー調整だ。
フロントサスペンションのイニシャル荷重は、車両とライダーが決まればほぼ一定の値が決まるので、スプリングのレートに合わせて組み付け時に縮ませておく量を決めれば “ 基本セット ” 出しは済み、それから大きく変更する事は無い。
因みに、トラ君と僕の場合の基本イニシャル荷重は 9.5 Kgf だ。
 
また、ダンパー(ダンピング調整)はサスペンションにとって大切な要素だが、スプリングが肉料理の “ 肉 ” だとすれば “ 塩 ” だ。 必要だけど それだけでは食べられない。

     *  *   更に 話は横道に   *  *
  
社外製の高額のサスペンションユニットに交換すると “ 良くなる! ” と思っている人は多いが、それはちょっと違う。
でも、サスペンションの基本は スプリング だから、本当は 高品質のスプリングへ交換を考えるべきなのだ。
けれど、ダンパーとスプリングがセットで販売されているユニットでは、どうしても “ 塩 ” 役のダンパーに目が行き、調整段数が多い事が高性能の証しだと信じている人は多いだろう。僕もそうだった。
調整段数(クリック数)のトリックや 社外製ユニットの事情については、また近い内に。

参考までに、トラ君のフロントデータ(抜粋)の一覧を掲載している。
細かい文字なので、肝心な個所を大きく表示した表も掲載するが、フロントサスペンションのセッティング方法も含めて、いづれ解説してみたい。
 

リアスプリング フローティング化 (その6)

『 車体へ装着完了! 』

スプリング リテーナー部に スラストベアリングを入れてフローティング化を行ない、お気に入りの アメリカ製スプリングへと換装したユニットの車体への装着が完了。

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サスペンションのリンク部全てにスラストベアリングセットを組み込み、リンク部でのフリクション低減を守る為に、スラストベアリング装着部には 自製のダストカバーを組み込み、リンク部のボルトの締め付けトルクも メーカー指定の 48 Nm から 38 Nm へと変更して更に作動フリクションを減らす処理も完了した。

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続いて、ライダーの体重に合わせて行なう必要のある “ プリロード調整 ” も行なう。
スタンドがあれば 一人でも簡単に行なえる作業だ。
先ずは 0G(無荷重)時の リアホイールアクスルの位置の計測で、シート上部から下げたメジャーで計測して 700 mm の位置をマーキングする。

トラ君のリアホイールトラベル量は メーカー発表で 130 mm。乗車(1G')時に 全ホイールストローク量の 1/3 を使う(沈む)のが基本だから、130 × 1/3 = 約 43.3 mm が乗車(1G’)時に 沈むようにすればよい。
だから、0G 時 の ホイールアクスルまでの距離、700 mm から 約 43.3 mm を引いて、 乗車(1G') 時の ホイールアクスルまでの距離が 656 mm( 700 mm-約 43.3 mm )になる様にプリロードアジャスターを調整するだけで 基本セットは完了だ。

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『 試乗前、コンソメの味 』

先ずは、フリクションの具合を確認するため、スタンドに乗せた状態のまま、車体のテール部に手を当てて、ゆっくりと下方向へ 5 mm だけ押し下げてみる。
 
Good !!!

スプリングレートが 10 % アップしたスプリングに換装しているのに、変更以前と較べてはっきりとフリクションが小さくなっているのが実感できる。
それまでも、市販車とは較べられない程に小さかったのに、今度は 澄み切ったコンソメスープのような軽やかな味が感じられる程だ。

更に下へと押し込むと、スプリングレートの変更が顔を出してきた。反力が大きい。
場合によっては、スプリングレートを 1段階下げて、600 LBS / inch から 575 LBS / inch に換装する必要があるかもしれない。

『 さあ、試乗だ 』

その好印象は スタンドから 車体を降ろした時も続いた。
リアタイヤが ガレージ床面に接地した時の音が違う。 「ボスッ」、 まるでパンクしたタイヤの時の様な音がするが、タイヤ空気圧は正常だから不思議だ。
 
市街地を走り出した時も好印象は続いた。
まっすぐの道を普通に走っているだけで気持ち良い。
フリクションが減って剛性感がはっきりと出てきたので、タイヤの弾性感やグリップ感が一層はっきりと感じられる様になったのだ。
それは、まるでリアタイヤ が僕に話しかけてきている様で、車体全体が活き活きと感じられ、路面の小さな段差を乗り越える感触が快感になり、シフトチェンジさえ気持ち良く感じられるからやめられない。


『 発見! 修正が必要なこと 』

しかし、良い事ばかりではなく、修正が必要な個所も出てきた。
先ずは、スプリングレートが 少し高く感じられるのだ。
リアの車高調整を終えた後、加速&減速時のリアの 車高変化量をチェックしたが、もう少し 明確な変化があった方が車体コントロールが簡単になりそうだ。
575 LBS / inch の レートのスプリングへの換装と同時に、リンクボルト の締め付けトルクも 一段階下げるのも良さそうだ。
 
もう一つの困り事への対処は簡単ではない。
少し表情の変わったリアサスペンション周りとの兼ね合いで、フロントサスペンションとのバランスが悪くなったのだ。
リアサスペンションの セット出しは簡単だけど、それとバランスさせる フロントサスペンション のセット出しは遥かに難しいのだ。
一度、過去のデータも洗い出して、どのセットが合いそうか検討する事から始めなくてはいけない。
 
 < まだまだ 続く >

【 世界 2m走 選手権大会 】 開催

世界選手権大会をやりましょう!
年齢を問わず誰でも参加できて、どこでも、いつでも開催 !

 
■ 必要な機材 ■   ・・ストップウォッチ のみ

■ 必要な人材 ■   ・・ 採点員 5名、 競技参加者 1名以上 のみ

■ 開催会場条件 ■  ・・ 全長 4m、幅 1.5m( 駐車枠程度 )

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≪ 競技内容 ≫

      〇 スタートラインについて、合図に合わせてスタート
      〇 2m 先のゴールラインを体の一部が過ぎる迄を競う
      〇 10秒以内にゴールが完走条件で、10秒以上は失格
      〇 スタート後は、止まってはいけない
      〇 スタート後は、バックしてはいけない
      〇 採点の「タイム点」と「技術点」、「芸術点」の合計点で競う


『 タイム点 』

      スタートからゴールラインを過ぎるまでの測定タイムの10倍を
       “ タイム点 ” とする

『 技術点 』

      アスリートらしく、優れた走力や筋力を見せつける程に高い点数を得られる
      採点は 5名の採点員が 持ち点 5点の中で判定し、採点結果の最大と最少の採点
      を除く、3名の採点の合計とする

『 芸術点 』

     アスリートはパフォーマーでもある事を表現した者ほど高い点数が得られる
     採点は 5名の採点員が 持ち点 5点の中で判定し、採点結果の最大と最少の採点
     を除く、3名の採点の合計とする
 
 

以上 !
【 世界 2m走 世界選手権大会 】は すでに始まっている ??



リア スプリング、フローティング化 (その5)

一部修正の必要はあったものの、削り出し自作した部品も(ほぼ)問題無く組み付けられて、いよいよ サスペンション ユニット を車体に装着 !としたいところだが、
折角 リアサスペンション周りを分解した今、更に改良できる個所が無いかを考えてみた。


『 一番のお気に入りはアメリカ製 』

以前も書いたけど、その製品の品質や作動性で一番お気に入りの サスペンションユニットは “ アメリカ製 ” だ。
アメリカでレーシングコンストラクター や、レーシングチーム経営で最も有名な会社の製品だから、ずぅ~~と 若い頃から知っていたブランドだったけど、“ 食わず嫌い ”だった。

けれど、2000年に使い始めてみると、そのスムーズな感触は絹の様で、どんな荷重が掛かってもランプの魔人の様に文句を言わず、その乗り心地はロールスの様。
だから、トラ君にも装着したかったので、実効ストローク量や自由長などの必要な仕様で 国内輸入元に打診したけど、数種類のユニットボディやピストンロッドなどの組み合わせを検討しても作製できないとの回答だった。

そのため、最初はイギリス製を装着して、その加工精度と微小ストローク時の感触(フリクション)が思わしくなく、今年になって世界的に有名なスウェーデン製を購入したのだった。


『 まだ改良したい個所 』

今年購入したブランドは、30年以上前からフリクションを低く感じさせる造りの事は知っていたけど、国内販売会社の仕事があまり好きでなかったので採用はしてこなかったが、実際に使用してみた感想は想像した通りだった。

工作精度は高く、作動性も凡庸で安定しているが、絹ではなく良い出来の木綿。
トラ君の持病の リアサスペンションの躾けの悪さを十分にカバーできるものではないし、逆に個性を主張するタイプでもなかった。

だから、ユニット本体以外への改良策として、スプリングをお気に入り品質の製品へ交換して、同時に スプリングへのストレスを取り除く “ フローティング化 ” をしたが、まだまだ 手を入れておく必要がありそうだ。

次に気になっている個所は ユニットの上下ピポット(連結)部だ。
純正ユニットであれば ラバー(ゴム)ブッシュとメタルカラーの組み合わせが普通だけど、社外製品なら 当然の様に “ スフェリカル ベアリング(ピロボール)” で フリクションの少ないスムーズな動きを目指すのが当然だし、今迄も そういう製品しか使ってこなかったが、今回のは違う。

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装着したら フリクションが確実に発生するメタルブッシュ方式で、揺れるスイングアームやリンクの動きをかわす能力はノーマルのユニットより無い頑固モノ仕様なのだ。

だから、サスペンションのリンク連結ボルト部のフリクションを取り除く部品を入れるのだ。


『 組み込む前の記念撮影 』

最初に、ノーマルのサスペンション周りの構成部品の一覧画像を載せる。

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そして、今回のサスペンションユニット組立てが終わり、リンク周りの部品のクリーニングも終わった後の記念撮影の一枚が次の画像だ。

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リアサスペンションの全てのリンク 周りは、すべてスラストベアリングを組み込み、リンクプレートを片側2枚に増やしてユニットの作動性を高めるなど、全てはフリクションを減らす為の処置だ。

そしてベアリングを組み込む為、ノーマルより長いサイズのボルトは CBR1000RR 用を流用して強度と安全性へ備えている。

さあ、どうなるか? 組み込んでみよう。