妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

フロント フォークスプリング 迷走日記 ?

オートバイのセッティングで一番難しくて楽しいものは、エンジンを除くならば、フロントサスペンションと言って間違いない。

エンジンは、セッティングというより、様々な部品の加工やバランス取り、表面処理などの作業で素性が決まるけど、中型以上の 4stエンジンとなると、一日に一回以上完全分解して整備・調整する気にはならないから、よほど致命的な性格になっていない限り諦めもつく。

が、フロントフォークサスペンションは違う。
ちょっとでも気に入らない性格だと分かると、直ぐにフォークオイル量の加減など細かな調整をしてしまうし、それでも満足できなければ気軽に完全分解して再組立てできるから困ったものだ。

トラ君の場合でもそんな迷走が続いている。

前回(8/13)、WP社製 ZZ-R 1100 用スプリングでセットアップして試してみると、通常の練習走行での荷重域であれば良いマナーぶりだったのに、実際のタイムトライアル走行になると意外に “ ノミの心臓 ” な一面があったから困った。

早速に、原因を推測して、WP社製 FZR1000 用のスプリングへと交換してセットアップしてみると、一般道走行では今まで以上に良いマナーぶりだった。
期待して、先日、少しだけ練習走行へと連れ出してみれば、意外や意外、神経質な一面をオープンにしてくれたので、その夜から少し落ち込んでいたのだった。

でも、いつまでも落ち込んでばかりでは面白くないので、スプリング候補毎にその特性をグラフ化してみました。
 

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すると、希望が湧いてきた。
(見合い相手に断られて、次の日に新しい候補が見つかった気持ちか?)

coerce社製・ZZ-R 1100用も候補に挙がっていたけど、HP(ハイパープロ)社製・ZZ-R 600 用も試す価値がありそうだからだ。
さあ、早く来い! 今週末 !!

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【 グラフの見方と注意点 】

○ 棒線が途中で区切れている個所は、その領域で スプリングレートが変化している事を示しています。( ツインレートスプリングの場合のみ )

○ 横軸は荷重(Kgf)で 縦軸は縮み量(mm)を示すけど、横軸は 初期荷重(セット荷重)以降に加わった荷重を示しています。(初期荷重は、トラ君の場合には 10 Kgf が基準)

○ 荷重量が 32 Kgf (全荷重量は 42 Kgf )の領域が セッティングの基準になる「 乗車時(1G'時)」の荷重領域で、赤い帯で示しています。

○ この乗車時荷重領域に近い領域で レート変化している 2本のスプリング、純正・’98ホーネット600 用 と WP・FZR 1000 用のスプリングの場合には、バンク時の アクセルOFF時にフロントが細かく左右に揺れる症状が出たのも、きっと レート変化時のスプリングチャターがそのまま出てしまっていたのでしょう。

○ このグラフでは 大荷重時に変異量に大きな差が出てしまうようにも見えますが、実際には 車体セッティングの基本で、乗車時のフロント車高を一定の範囲に収めるためにフォークのつき出し量を調整するため、その分を差し引いてグラフを見る必要があります。

○ もちろん、フォーク内のエア成分によるスプリング効果が実際には加わりますが、ストローク量を一定に調整する限り、どのスプリングを入れてもエアスプリング特性は同じなので、ここでは考慮に入れていません。

『 次こそ、完璧だ ?? 』 (参加感想文より転載)

この文章は 公式サイトからの転載文です。
<GRA公式サイト>
http://gra-npo.org/publicity/impress/2017/20170813_imp.html


【 トライアンフ再走計画 】

今回のイベントは、丸6年以上ガレージ保管を続けていた トライアンフ(以下 トラ君)での久し振りの参加でした。
そのために、切れたままだった車検の取得だけでなく、色々な作業を施して 完璧(?)な状態での参加を目指したのです。
  
前後のタイヤを始めとするゴム製品の交換、エンジンオイル等のオイル&グリスの交換、バッテリーの交換に前後サスペンションのリセット作業などをじっくりとしてきました。

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【 サスペンションのリセッティングは 】

サスペンションは トラ君の最大の難点です。
特に、フロントサスペンションは 元々のトレール量が少なく、一般道を走っていても安定感に欠けるほどで、リアサスペンションは ノーマル(純正)のアライメントはスポーツ走行に不向きで、姉妹車:デイトナ675 仕様にしたものの、グリップ不足の症状に常に悩まされていたのです。
 
そこで、フロントサスペンションは ストローク位置を 25㎜伸ばして、2010年当時に組み込んでいた 1998年型 ホーネット600用純正スプリング( スプリングレート: 0.62 ~ 1.02 Kgf/mm / 変換点 : 69.7 mm )から、一気にスプリングレートを上げる目的で、WP社製 ZZ-R 1100用スプリング ( レート : 0.84 ~ 1.05 Kgf/mm   変換点 : 90.0 mm)へと変更して、前後車高バランスや残ストローク調整を施したのです。 ( これで かなり完璧か ? )
  
リアサスペンションは、デイトナ675用のスプリングレートが異様に高過ぎ(675 LBS/mm)て、一般道では正しくグリップさせられないレベルだったので、低レート(575 LBS/mm)のスプリングへと変更していたのですが、それでもグリップ感が足らなかったのです。
そこで、今回は、低レートにしたスプリングに合わせて ダンパー内部のシム変更を行ないました。(ますます完璧か?)

 


【 個人練習での感触は ・・ 】

イベント当日、個人練習の場で走ってみた感触は、

「 正に 最高の気持ち !!」
「 以前のセットよりも、ずっと素性が良さそう! 」
  
ライディングオフ期間が4年以上あったので、先ずは VTR250 でリハビリテーションを兼ねた練習をしていたのですが、VTRとは較べものにならない程の安定感と安心感なのです。
  
VTR250 の場合には、攻めたセッティングに振っていた関係もあったのでしょう、路面の小さな石を踏んだだけで不安定な挙動を示していたのが、トラ君の場合には小石の存在を神経質に気にしなくても良く、しかも豊富なトルクでいつもグリップ感が豊富に感じられるのです。

「 高レートのフロントスプリングでもバランスは良い! 」
「 リセットしたリアダンパーのお蔭か、リアのグリップ感が二回り大きくなった! 」(自己満足?)

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【  一転、コース走行練習では 】

ところが、個人練習では良かった感触も ショートコースを使った走行練習では、「何か違うぞ ?」& 「フロントのマナーが悪いぞ 」になったのでした。
  
元々、トラ君はトレール量が少ないので、フロントタイヤの方向安定性が低い特徴(持病)があるので、フロントの車高を為目にセットした上で、最大ストローク近辺に近づかない様に高レートのスプリングに変更したというのに ・・
  
ブレーキで追い込んだターンをするほど、ターン角度が大きくなるほど、フロントサスペンションが変に上下ストローク(揺れる)する領域が出てくるのです。

「 困った、どうにかしなくては 」

  
そこで、最大ストローク付近の車高(残ストローク量)を上げてトレール量を稼ぐため、フロントフォークオイルを左右 5㏄ ずつ追加して試走。

「 ちょっと良くなったけど、まだ不安定な挙動が出るな 」

  
そして、また フロントフォークオイルを  左右 5㏄ ずつ追加したところで タイムトライアル となったのです。
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【 タイムトライアルでは ・・ 】
  
結果から言えば、現状のままでも トラ は十分に速いし、VTRよりも速く走れるだろう。
でも、ターン中の不安定な挙動は消えてなくて、走行ラインをコントロールできず、思う存分には走れない状態でした。

「 完璧なんて、まだまだほど遠く、このままでは使えない、楽しめない 」

  
帰路はずっと、どうしてあんな挙動になったのか、前から後まで、一つひとつ考えたのでした。
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【 解析とリセット作業 】

挙動を解析した結果は、高レートのスプリングへと変更したフロントフォークだったけれど、レート変換点が 90.0 mmなので、丁度 78 mm ストロークさせた位置(残り実効ストローク 20 mm )、つまり ターン中に大きくストロークさせた時点で レートの段付きが生まれ、それが要因となって 不安定な挙動を大きくしてしまったのではという結論に到達しました。
   
そこで、今度は 高レートへの変換点が早目に来る WP社製 FZR1000 用スプリング ( レート : 0.70 ~ 1.11 Kgf/mm  変換点 : 52.9 mm )へと交換作業も完了 !
これで、初期レートは 交換前よりも低いものの、乗車状態(1G’時)で レート変換点を迎えており、それからのストロークは 1.11 Kgf/mm という高レートだから、最大ストローク付近での挙動は抑えられる筈 !
   
実際、一般道での試走の結果は、今までは小さなギャップの通過時に感じていた不安定な挙動がずっと抑えられて、更に安定感が増した上、1G' 時 からの伸び(リバウンド)側のレートは高くないので、軽快感の高いセットになっています。

「 さあ、これで次こそ、完璧か? 」
  
更に、後になってから気付いたのは、内部シム変更後の リアダンパー の 外部ダイヤルでの再度の微調整を忘れていました。
従来の 内部セットに合わせた 外部ダイヤルセットでは、やっぱり! 最適なセットではないですよね。

「 怖いほどに、益々完璧か? 」

 
 
【 タイムトライアルがあってこそ 】

いつもながら感じる事は、“ タイムトライアル ”の大切さですね。

これは トラ君のような、ディープな 「 セッティング 」の話だけに限らず、「 ライディング 」の確認のためにも “ タイムトライアル ”はとても大切だといつも実感していますし、その様な環境に恵まれている事に感謝しています。
  
「 ライディング 」で一番大切な技術は、車両と自身の能力の限界を正しく知る事だと思っているからです。
特に、一般道を走行する際に、想定外の状況に遭遇した際に、最もリスクが低くなる回避動作を行なうのにはそれらが欠かせないからです。
  
ピッチャーはマウンドに立ってこそ真の実力が判るように、ボクサーはリングに入ってこそ足りない技術が判るように、ライダーは安全な環境でタイムトライアル を経験すべきだと思います。

 
さあ、トラ君もリセットできたし、次のタイムトライアル の 機会が待ちきれないぞ !!
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恐るべし Valeo(ヴァレオ)社

トラ君の 丸型2灯式ヘッドライトを交換します。
  
マルチリフレクター式なのに暗くて、
高効率バルブとリレーユニットと専用回線を奢ってやっても、
3m先地面をスポット照射する等配光特性が悪くて、
ランプユニットを交換する事にしました。
  
車用丸型4灯式ヘッドライトの外側2灯を求め、
以前の2大ブランド、 MARCHAL や CIBIE、
国内マーケットで探したけど無く、
仕方なくイギリスから CIBIE を直接購入した。
  

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    *    *    *    *    *
  
1950年代後半以降、アメリカの販売規格に合わせ、
丸型4灯式ヘッドライトは多くの車両に採用されて、
2大ブランド以外、CARELLO、LUCAS、HELLA など
色々と選べる時代もあったのに。
  
大好きな MARCHAL 製品は無く、届いた CIBIEは
同じ フランスの VALEO(ヴァレオ)社に吸収され、
一ブランドとして残っているだけ。
  
この VALEO 社、ドイツの BOSCH と並び、
自動車用電装部品メーカーとして 世界屈指の会社だ。
日本の 一光(IKKO)や PIAA を 傘下に入れ、
自動運転時代、電気自動車時代へ向けて発展しているようだ。
  

   *    *    *    *    *

  
それにしても、時代は既に LED の時代だ。
    
今さら H4バルブ形式のランプユニット買ったけど、
きっと、トラ君以外に使い道、無いなぁ ~


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「 走りたくないコース、 走りたいコース 」

ジムカーナに限らず安全運転競技大会のコース設定の最近の傾向には疑問だ。

愛に乏しく、夢少なく、個性出せない設定が目立ち過ぎる。

 
競技用の走行コースは、バレエやアイススケート競技、ビアノやバイオリンのコンサートなどと同様に、芸術性や創造性が欠かせないものだ。

コースは曲であり、曲に合わせて舞ったり演奏するのと同様に、コースをオートバイで演奏し、何気ないフレーズの中に独自の解釈を込めて、技術と芸術を高いレベルで融合させてこそ多くの人を魅了できるのだ。

しかし、初心者を拒絶する16分音符が羅列させただけの様なコースに愛は無く、独自の解釈を込める夢は無く、自分らしさを発揮させる場も無いようなコースを走り、ただタイムだけで評価されるはつまらない以外何者でもない。
 

初心者でも挑戦したくなる簡単なコースで、大型車でも能力を発揮できる全音符があり、その上で 三連音符や変調のセクションもあって、独自の解釈と能力で演奏ができて、それにタイムと感動も伴ってくるコースをいつでも走りたい。

それはレースの世界でも同じで、世界各地にあるレースサーキットのレイアウトはそれぞれに攻略し甲斐にあふれているけど、初心者でも必ず楽しめて完走できるコースばかりだ。

オートバイを意のままに演奏する人を称えるのが競技大会であるならば、そんなコース設定でなくてはならないだろう。

 

 

 

「 横断歩道 」

駅に向かい歩いていると、駅間近にある信号機の無い横断歩道で、
年齢 80歳前後、高齢のご夫婦らしき二人が立ち留まり続けていた。

見れば、女性の方が歩行器を使っての歩行なので、
なかなか渡るタイミングが取れずにいる様子だった。

そこで、先に横断歩道の半ばまで歩き、走る車を止め、
二人に横断を促した。

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しかし、歩行器があるとはいえ、その歩みは遅い。
時速 1㎞以下では 全長 20m程の横断歩道は長過ぎる。

それを見て、止まっていた車が直前をすり抜けようとした。
年齢50歳位の女性が運転するベンツ、両腕を広げて制止した。

道路交通法で「徐行」または「停止」の義務になっている以上に、
他者の人生に与えるリスクのある行為はモラル違反だ。

とかく運転者は、「法律だから止まる」以上の意識は無いようだ。
中には 「止まってあげた」という慈善的意識の人もいるようだ。

横断歩道は、歩行や聴覚・視覚等に機能障害を抱えた人も通る道。
そんな人達にとって、横断歩道は事故に遭遇するリスクの高い道。

一方、運転者にはそれに相当する程のリスクは無い場所だ。
他者の人生へのリスクを考えられない者は運転すべきではない。

 

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ジャイロUP号 ウンのつき ?

1995年の震災、引っ越しで住居とガレージが離れてしまった時、
ジャイロUP号がやって来て、ガレージ通いやタイヤなど大型荷物運搬の足となって活躍してくれている。
   
ところが、先日走行中「バキッ!」という異音と共に、フロントブレーキの効きが変になり、ハンドル周りのカウルに付いていた右ウインカーレンズが外れ落ちてしまった。
  
当日、外れたカウルを分解して原因を探ってみたけど判明せず、
先日、じっくりとフロントタイヤを見て原因が判った。
右側サスペンションのリーディングアームの取付け部が破断してしまっていた。

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それに伴って、ブレーキユニットが回転した関係で、引っ張られたブレーキケーブルがカウル内でウィンカーを押し出し、ダンパーロッドを大きく曲げてしまっていたのだ。
  
状況が理解できた後で、破断した原因を考えてみた。
「 そういえば、破損した当日朝、フロントバスケットの中、見知らぬ愛犬家から、ビニール袋入り柔らかい“落とし物”が入れてあった!! 」
「 そうか、あれが  〇〇のつき? 」
 
 
いや、いや それだけでもない。
「 住居前、彼らの散歩道にあるジャイロUP号、いつも目を付けられてマーキングされているからかも?? 」
「 実際、フロントホイール右側だけが汚され、ホイールだった錆ている程だからかも ! 」
 
 
交換が必要な部品、〇〇オクで「ポチ!」とした後で考えた。
「 被害避けるため、乗らない時はフロントホイール外しておく ?? 」
 
 
 

Z750GP 妖怪号、 革パンツ忘れて 大会遠征記

革パンツは、ライディング時に膝など下半身をしっかりと支えるだけではなく、万が一の転倒時には身体を守ってくれる大切な装備だし、スポーツライディングでは必須とも言えるほどだ。
    
それなのに、その革パンツを忘れて大会へ遠征してしまった時の映像です。
     


Gパンのままでは滑るので、滑り止め用にテープをタンクに貼って、「 コースの縁石は痛いだろうな~ 」 と、丁寧に走ったのが良かったのかも知れません。