妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

最後の春

    
暖かい春の午後、彼は近所の公園にいた。
でも、陽射しを避けて日陰にいた。
まるで、身を隠しているようだった。
   
見れば、口を2秒間隔で異様に大きく開けている。
それも、すっかり地べたに座り込んだままでだ。
とても、身体の調子が良くないようだ。
    
きっと、彼は来年の春を迎えられないのだろう。
でも、身だしなみはしっかりとしている。
肌艶も決して悪くはない。

僕は、彼のように野で生きる者達に憧れている。
媚びず、気丈に最後の時まで凛と生きるからだ。
そんな生き方に、少しは近づきたい。


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