妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

4/7 “桜見” ツーリング の リポートです

30年以上振りの マスツーリングに参加して、色々と 現在のライダー達の状況など、考えさせられる材料のあった旅でした。 


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『 朝、サービスエリアより 』

朝 8時、ツーリング出発地点となった サービスエリア(道の駅)から、ツーリングリーダーを始めとした他の参加者と出発。
このサービスエリアはライダー達には有名な場所らしく、早朝にも関わらず多くのライダーが集まっていた。 そんな光景を観ていて、親近感と同時に違和感を感じた。
普段は ツーリングに滅多に出掛ける事も無く、人と群れるのが嫌だから単独で走っているから初めて見るような光景だからか。
そんな妙な想いを胸にしての出発だった。
  

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『 さくらロードとの出逢い 』

奈良県の北部から南下を始めると、多くのツーリングライダー達に出逢った。
僕達の前を走るライダー達も同じ目的地? と思ってしまうほど、交差点の度に同じ方向へと向きを変えていく。 よく使われるルートだろうか? いや、選択肢が少ないのだろう。
途中、R369 から R368 へと入ると急に道も景色も変わった。道が狭く曲がりくねっている。軽自動車でもすれ違いに気を遣う程の広さだ。しかも、両方の路肩側には杉の落ち葉が溜まっていて、オートバイが走れるのは車の “わだち” 部しかない。
決して嫌いなシチュエーションではないが、対向車が来るとたまらない。でも、マナーと人情の溢れたドライバーも多く、しっかりと 御礼返しのマナーは実践だ。
 
そんな “難所”(?)も無事に走り抜けた所で作戦会議。 次の目的地まで国道を使う予定だったリーダーに持ち掛けた。「途中で、この県道を行ってみませんか」
実際の選択はリーダーが状況判断しながら行なうものだ。が、リーダーは県道へと入ってくれた。   
国道でハード(?)な想いをしたので、県道では? と想像していたが杞憂だった。いや、(手前味噌ながら)ベストな選択だった。
それまでの行程でも花咲く桜の樹を観てきたが、この県道の桜はケタ違いに良かった。 明らかに桜の品格が違う。
  

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街で見かける染井吉野ソメイヨシノ)ではなく、濃い目の ピンクから薄いピンク、里に咲く桜から山の中腹をステージにして咲き誇る山桜たち。
道沿いでは、枝垂れ桜(シダレザクラ)や樹齢100年を優に越しいるのか空高く雄大な姿の桜の大木。 さらに山頂へと続く道端には、観る人も居ないのに 僕達を出迎える様に20mおきに咲く満開の桜たち。
山頂から下る道では桜の花吹雪でうっすらと白くなった道を走った。道幅も十分にあり、視界も開けて、交通量も殆どない  正に“ さくらロード ” 三昧でした。

 
『 帰路は一人旅 』

無事に、全員が目的地の食堂へ着き、一緒に昼食を摂った。

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他の参加者との会話も弾み、少し年配のウエイトレスさんとの会話はもっと弾み、予定より少し長い昼食タイムとなったが、皆とはここでお別れだ。「また、会いましょう!」

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近くのガソリンスタンドで給油。行程 約 230㎞ で 給油量は 約 6リットル。 悪くない。 やっぱり 250㏄ を選んで正解だ。 これで 高速料金が 軽自動車の半額なら文句は無い。
帰路に選んだ道は、奈良県を最南端から真っ直ぐに北上するような道で、途中はずっと山中の道程だ。 ツーリングに慣れたリーダーは居ないので、この時のために装着した NAVI が頼りだけど、自転車用に以前購入した機種なので、10年前の地図データしか入っていない。 「きっと、大丈夫だろう ♪」
 
途中、選択した “三ケタ国道” から外れて、更にアドベンチャー要素の強い “三ケタ国道” へルートを変えると通行止め、引き返すハプニングもあったけど、信号は少なく、センターラインは白の破線区間が多く、交通量もまばらな川沿いのワインディングロード。
それはそれは、快適なツーリング、と言いたいけど、二つの懸念が残った。
一つ目は、僕の VTR、ツーリングでは挙動が洗練されていない事がわかった。 元々、街中やさほど広くない場所を走るのがメインの用途。一週間前には、整備・セッティング講座用収録の為に、フロントフォーク内部の変更と整備を行なっている。
組み上げた後に必要なデータ確認と調整は手抜きのままだとは言え、追加したスラストベアリングは良い働きをしているのが実感できたとは言え、バランスが悪い。 「フォークオイルは少なくとも 5㏄抜いて、残ストローク 5㎜ 程度下げなくては」「イニシャル(プリロード)は 0.1~0.2 Kgf 程度下げるか?」「ツーリングしてみないと車両バランスは分からないかも知れないな」
 
 
『 気になるライダー 』

もう一つの懸念は、ライダー達の走らせ方だ。
これは僕の信条だけど、公道上では交通法規(ルール)は可能な限り順守すべきだし、公道上では限界域に近づく走らせ方はしてはいけない。
だから、車線変更前には 3秒以上ウィンカーを点滅させ、右左折時には 20m以上前からウィンカーを点滅、民家地区を走行する際には 必ず制限速度以下で走行し、車間距離は十分に取るし、コーナーへ進入する際には、回避と機動性の確保のため、必ずノーブレーキのままで入れる速度で走る。別の主義の人も居るだろうが、次の動作に備えて右手操作の選択肢は多い方が安全だと信じている。
 
そんな僕なりの交通法規やマナーに従った安楽な走りをしている中、道で出逢った多くのライダー達は、こちらが挨拶をすると 四人に一人以上の割合で会釈や腕を大きく上げて挨拶を返してくれたし、走らせ方も概ね平和だ。でも、一部のライダーは 知らずに限界域に入る走らせ方をしていたのだ。
公道では、一般乗用車よりオートバイの方が加速力が勝り、機動性も高く、機敏な走りが可能だ。 まして、山中の道でリッターバイクを走らせれば、その差が一気に大きくなるので、自分自身を誤解する機会があるので注意が必要だ。
気になるライダーが二人居た。
  
一人は 車列をリードする様に走る 2台の リッターバイク の内の一人だ。
やがて、彼らに追いつき、安全な場所でルールに従って追い抜き、そのまま景色を楽しみながら、センターラインも守って走っていると、先ほどの1台、CB1300SF が 僕を追走しようと試み始めた。
僕は、自分なりの安全ルールを守って走るけど、彼の走りは明らかに リッターバイクの性能まかせ、自分自身の限界を知らない走りだ。 30歳代できちんとした身なりの人。社会的にもしっかりと働いている方と思うけど、公道では自分自身のライディングスキルの限界域に近づいてはいけない。
見通しの良いコーナーの連続では 100m ほどに近付くけど、ブラインドコーナーが続くと見えなくなった。「アクシデントか?」と思って、少しだけペースを緩めると、長いブラインド気味の右コーナー、100m以上対向車線を割って走ってやって来ている。自分自身のスキルの限界を公道で試してはいけない。「せめて、車線変更前 3秒間、ウィンカーは使うべし」
   
もう一人の気になるライダーは、狭く曲がりくねった迂回路、5 ㎞/h以下で走る四輪車の後、細かく左右に進路を振り、アクセルを軽く吹かしながら走るリッターバイクのライダーだ。
きっと、極低速路でクラッチワークをしつつ、いつまでも続く渋滞にイライラしている心中も出ていたのかも知れない。が、常時点灯のライトを車に当てたまま、左右に進路を揺らし、ノーマルマフラーとはいえ軽いブリッピング動作は、決して社会に良い影響は与えない。
極低速であれば、アクセル操作無し、クラッチワークだけで、まっすくに進む練習を心掛けないと、オートバイに対する印象は良くならない。
    
それとは別に、左の 20R 程度、ブラインドコーナーで、対向の 四輪車がこちらの車線の真ん中を走ってくる場面にも遭遇した。
一般道では、様々な車両、様々な運転レベルの人が混在している事は常に自覚しておく必要がある。
当然、想定範囲内、車両のフロントタイヤの向きを確認しつつ、運転席側ドアに最も接近する場所で一喝、大声で注意を促した。 誰にも勧められる対処ではないが、可能な場合には、未来の事故を未然に防ぐ為に、適切なタイミングで注意はしたいものだ。
 
 
『 無事に帰宅、今後の宿題 』 

と、基本的には交通の流れに乗って、安楽なツーリングの旅、午後6時前にガレージ帰着で、無事に終える事ができたし、他の参加者全員も無事に帰宅との報を得た。
が、こうしてサービスエリア や 一般道でのライダー、特に リッタークラスのオートバイに乗るライダー達の存在や行動を目の当たりにして、色々と心に引っ掛かるモノが残った旅になった。
まあ、そんな事は一度は忘れ、名刺を渡した少し年配のウエイトレスさんの笑顔を思い出しながら、旅のリポートを終えたい。
今回の旅で得た知見は、いづれ何らかの形で活かしていきたいと考えている。