妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

ライディングスクールへ行こう !

時代によって、オートバイのライディングに求められる内容は異なる。
 
戦後20年程度、1960年代頃までは、道路の舗装率は今ほどに高くなく、主要道路を外れると未舗装路が残っていて、穴ぼこだらけ、雑草が生えた道路は珍しくなかった。
だから、そういう路面でも走れるオートバイが作られ、そういう道路を転倒せずに走る技術がライダーには求められた。
 
時は過ぎ、1980年頃には、高速道路や自動車専用道路を走る機会が増え、道路の舗装率も格段に向上すると、高速走行や長距離走行(ツーリング)に適したオートバイが作られ、販売台数と免許取得者が増え、高性能になったオートバイを安全に乗る技術がライダーに求められた。
 
さらに時は過ぎ、2000年頃には、“ 暴走族 ” や “ 三ない運動 ” などオートバイが社会悪の根源的な扱いをされた影響もあり、それまで主流だった10代ライダーが減少して、30代以降のライダーが目立つようになり、現在のライダーの主流は、彼らがそのまま歳を取っているような状況だ。
  
そうなると、1980年代、社会問題化に呼応する様に、全国各地で開催されるようになった “ ライディングスクール ” に対して、求められる内容が現在では大きく変わってきている。 オートバイと道路状況、ライダーが変わってしまったからだ。

現在、アクティブなライダーの主流と言えば、明らかに 40代以降だ。
特に、50代以降、それなりに収入が増え、子育て期間も過ぎ、自由時間が増えて、趣味や時間潰しが欲しくてオートバイを、それも大排気量の車両を購入する人が多い。
すると、1980年代以前の様に、未舗装路で性能の低い小排気量のオートバイで転倒しながら技術を身に付けた頃とは違って始末が悪い事がある。
低下した身体的な能力と高性能になった路面と車両とのギャップが大き過ぎて、簡単に骨折などの怪我をする場面が増えているのだ。
 
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これは、行きつけだった 鈴鹿にある、ホンダの交通教育施設での事。
2000年代以降、「 どうすれば転倒しないようになるでしょうか? 」と、施設の指導担当教官の方々から相談される機会が増えた。
聞けば、特に 50代以降の人が、大型免許と大排気量車を持っているけど十分な自信が無く、技術を身に付けたくてスクール受講しに来て、受講中、比較的簡単なセクションで転倒して鎖骨などを骨折する場面が増えているとの事。
 
僕自身は、1980年代からその施設にはひっきりなしに通って受講し、1990年代以降は 自らライディングスクールや練習会を開催し、最も多い年には 40回以上、全国各地で開催していたから、その開催知識からアドバイス的な知恵を求められたのだと思う。
  
先日も、そのホンダの施設での講習内容を終日に亘り見学をさせて戴いたが、ライディングに求められている内容や講習対応は変化を続けている事が確認できた。
同様に、近畿各地で開催されている、日本二輪車普及安全協会(通称 : 二普協)主催のライディングスクールにも脚を運び、インストラクターの方々と名刺交換を行ない、講習状況を見学させて戴いている。

そうやって、日本でオートバイが置かれた状況を考え、ライダーや社会が求めるライディングを知る事は、NPO法人GRAを通じて発信し啓発する活動には欠かせない大切な事の一つだ。

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そういう機会の一つとして、ヤマハ発動機株式会社が主催している 『 大人のバイクレッスン 』を知ったので紹介する。

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【 YRA “ 大人のバイクレッスン ” 案内 】
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yra/otona/


車両メーカーとして、このレッスン形態に至るまで、どういう経緯と目的があったのかにとても興味がある。というのも、ずっと以前、静岡県内のメーカー施設(確か 磐田市内)で開催されていた講習を受講した覚えがあり、それ以降のメーカーとしての取り組み方には大きな関心がある。


< あとがき >
SNSで、この『 大人のバイクレッスン 』の事を紹介して、「 行きたい 」と書いたら、即刻、「あなたには受講する資格はない」「インストラクターに迷惑だ」等、無理解で失礼な奴が居た。
その事を指摘すると、マンガの主人公レベルの理解しかしていないと言う。

僕が人生の大きな仕事の一つとして取り組んでいる事に対して、どんな意図で「 行きたい 」と書いたかを確認せず、「 行く資格はない 」と言う事がどれほどに無礼な事か理解できない人が居る。
その上 「 オブザーバーとして参加はいいかも 」などと、主催する人々の立場さえ尊重しない失礼な事まで言い出す始末だ。

幸いな事に、僕の意図を理解して、「 一度、見学に行った事があります 」と適切な情報を届けてくれる人など、基本的には肯定的に受け止めてくれた人の方が多かった。

とても、助かります。