妖怪大魔王・コバ法王の日記

NPO法人GRA代表、妖怪:小林が書く、オートバイや人生、社会や文化など、日頃思っている事です

真の豊かさ

真の豊かさについて考えた。
金銭やモノの豊かさと考える人もいるだろう。
友達や知識・情報の豊かさを大切だと考える人も。
 
確かにそれらには抗し難い魅力と説得力がある。
でも、僕はそれとは違う豊かさに興味がある。
それは心だ。
 
いつも一番近くに居て、最後まで離れられないのが心だ。
お金やモノで満たされても、心の寂しさを慰めるだけ。
心を満たす本質は自身の心の豊かさだと思う。
 
時として人は、他人への振る舞いで心を評価し、
時には友達や知識の多さで心の豊かさを測るけど、
それは他人評価であって、自己評価ではない。
 
例え、自己中心、自分勝手、わがまま と言われても、
他人評価に身を委ねては心の豊かさから離れてしまう。
難しいだろうが、真の豊かさを目指したい。

リア スプリング、フローティング化(1)

『 あらすじ 』

そもそもの原因(要因)は、トラ君のサスペンション設計の問題だ。
サスペンションの作動と操安性について、きちんと練り上げられていないのだ。

リアに限って言えば、作動性が悪く微小な荷重変化に反応しない場面がある。
簡単に言えば、フリクション(摩擦)大き過ぎるのとよく似ている。
リンク式サスペンションなのに ホイールストローク時のリンク比はプログレッシブ(累進的)になっておらず、複雑なリンクが介在する分だけ、それまでに乗っていた直リンク式車(ほぼ リニアに変化)より作動性がとても鈍い領域があるので対策が必要となっているのだ。


『 連結ボルトのフローティング化 』

サスペンションユニットは社外製品へ交換しているので、上下のマウント(リンク)部のベアリング(スフェリカル)で不要なフリクションは抑えられている筈。
そして、リンク機構が連結ボルトで繋がれている各部にもベアリング(ニードル)が入っていて無駄なフリクションは抑えられている筈。

その上、当然だが、各部のベアリング部は走行1000㎞ を目途に分解・清掃(ゴミとグリース除去)・給脂(新グリース封入)を行なっても満足いくレベルにはならなかった。

そこで、リンク部の連結ボルトのフローティング化を試みた。
リンクはベアリングで支えられているが、そのベアリングに支えられている連結ボルトは車体やリンクプレートに直接接触しているので自由度は無い。部品相互間で自由度の無い接触フリクションを生む要因となる。
だから、リアサスペンション周りの連結ボルトの全て(スイングアームのピポット部は除き)をベアリングでフローティング化したのだ。

連結ボルトのフローティング化は確実に良い変化を与えてくれて、直線走行でさえリアタイヤの接地感が10%程度増したほどだ。
それでも満足できず、後日、連結ボルトの締め付けトルクを全て 20% 減らしたところ、更に 15%程度改善して走るのが楽しくなった。

でも、元の設計の問題なのか、それまでの国産車では感じられていた接地感には届かない。
そこで、「 リア スプリング の交換 」 と 「 リア スプリングのフローティング化 」を試す事になったのだ。

  
『 リア スプリング のフローティング化 』

トラ君用に最初に購入した 英国製サスペンションユニットは、工作精度が低くシム交換しても作動性・応答性に満足できなかったので、現在は スウェーデン製へと交換している。

が、スウェーデン製のダンパーユニットの作動性にはさほど不満は無いけど、黄色いスプリングには不満があった。
最新型ユニットになって採用例が多いこのスプリングは、従来の同社製より線径が細くて線材も短くなっている事も要因だろう。線径が太くて線材が長いスプリングと較べれば、例え同じスプリングレートであっても作動性の悪さが出易いのは当然だし、その作動性に不満があるのだ。
だから、従来から使って高品位な作動性に惚れている米国製のスプリングへの交換を決めた。

ただ、両社製品はコイルスプリングの内径が異なるので、ユニットに装着する為には、スプリング リテーナー(台座)を製作する必要があり、それなら 一緒にスプリングのフローティング化も一緒に実現する計画を立てた次第だ。

 
『 スプリング リテーナー の 製作 』

2017年 冬には計画の概要が決まり、2018年 春までには必要な部品(ベアリング等)とリテーナー製作用アルミ材は手元にあったが、2018年 秋、ようやくリテーナーの製造に取り掛かった。
 
作業が遅れた理由は色々とあるが、中でも深刻なのは旋盤での加工に慣れていない事だった。 それまでも小さな部品製造の経験はあるが、今回の部品は最も大きく、“中ぐり” という初めての加工方法があり、削る量も多かったのが躊躇していた理由だった。
 
時間と意欲が増した頃合いを見て加工に入ったが、やはり苦手なものは苦手。

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 切削量も多いから時間もかかったが、ようやく 上部のリテーナーの削り出しは完了した。
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手配済みのベアリングとワッシャー、そして米国製のスプリングの仮組み確認も完了。残すは、下部のリテーナーの削り出しとユニットへの組み込み作業だ。
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完成が待ち遠しいけど、リテーナーが設計通りに正確に組み立てられるのか?
それよりも、これでどこまで良くなるのだろうか?
不安と期待が半々だ。
 
 

失業手当の危機か ?

今日、生まれて初めてハローワークへ行った。
元々、あまり行く気もなかったけど、
ハローワークで手続きすれば免除されますよ!」と、
国民健康保険の手続きした役所担当者に勧められたからだ。


しかし、ハローワークの担当者が言うには、
NPO法人代表理事だと失業手当が給付されない」と。
無報酬役員の上に個人産資を貸し付けているというのに !
ただ、無報酬が証明できれば給付もあるとも。


明日のスケジュールが決まった。
法務局で「登記簿」の写しを取りに行って、
貸借対照表」と「収支計算書」、「定款」を出力して、
もう一度、ハローワークに行かなければ。
 
 
40年近く雇用保険の掛け金を払い続けたのに!
NPO法人を設立運営した事で給付されないとは?
でも、まあよい。
これで、NPO法人活動に肝が据わった気分だ。

バーエンドウエイト、反省と考察

『 バーエンド ウエイトへの “反省” 』

バーエンド(ハンドル)ウエイト、左右のハンドルの端部に装着されている “ 重り ” の事だ。

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それが、ハンドル周りの振動を抑えて疲れを軽くする為の部品(装置)だとは知っていた。 が、僕が乗ってきたオートバイの多くで、「 重いと燃費に も 悪いから 」と迷わず外してきた。

けれど今回、色々と試してみたら、疲れ防止だけではなく、乗り心地やタイヤの摩耗軽減にも役立っている事がわかったから反省をしている。
 
 
『 いつもの軽量化処理は 』

バーエンド ウエイト は、中型以上のオートバイの殆どで装着されているから、多くの人はグリップ外側の部品だけと思っているかも知れないが、実はそうではない場合が多い。

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グリップ外側についている部品以外に、ハンドルの内部にもウエイト(重り)が制振(振動制御)用のゴムを介して装着されているのだ。

だから、ハンドル内部のウエイトを取り外すか、ハンドルそのものを更に軽い社外製品に交換して、バーエンドには万が一の転倒に備えて軽い樹脂製部品に交換してきたし、トライアンフ君にもその伝統的(?)処理をしていたのだ。

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『 他人の評価は、いつも ・・・ 』

そんな風に細かな変更を施したオートバイは、いつも僕のお気に入りだったけれど、他の人に乗ってもらった時の言葉の多くは異口同音、何故か「怖い」だった。

天邪鬼な僕は「怖い」と言われる原因は、ステムベアリングからケーブルの取り回しなど、ステアリング周り各部のフリクション(摩擦)を減らす工夫を重ね、軽く思った通りにキビキビと走る様に調整をしているためで、“ 慣れ ” で解決する筈だとずっと考えていた。

しかし、車両のキビキビ感は不安定感とウラハラの関係。僕にとっても “ 慣れ ” だけでは解決できない場面も少なくなく、不安定なステアリング周りの動きは我慢していたのだ。
 

『 バーエンド ウエイト作成記 』 

いつまでもステアリング周りの不安定感を我慢していても先は長くない。不安定感を解決する為に、構想一日・作成一時間、バーエンド ウエイトを作成してみた。
 

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自作して使っていたバーエンド(プロテクター)は、内部に制振用(振動や衝撃吸収)のゴムは入っているが、とても簡単な構造だから “ ウエイト(重り)” つけも楽だった。
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適度な外径と重みのある ワッシャー(プレート)をウエイト用に購入して、そのワッシャー が外周方向へ遊ばない様に 位置決め用のカラーを作成して、それを組み立てただけだ。
ワッシャーでウエイトの代用をしたのは、とりあえず最適なウエイト(重り)を探ってから、最適なウエイトが見つかった後でウエイトを真鍮材から削り出す構想だからだ。
 
 
『 ウエイトの効果は? 』

最初はワッシャー を 5枚、ウエイト 60gの仕様で一般道の直進路を走ってみた。

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最初に感じた効果は「乗り心地が良くなり、直進安定が性高まった」だった。
確かに、左右 60gずつ、合計 120g の重さが感じられるハンドリングにはなったが、それ以上に タイヤのトレッド面が路面にしっかりと当たっている感触が伝わってくるのだ。

この効果(変化)が出た理由を考えてみれば、フロントサスペンション周りの 余分な振動( X軸周りの )が減った為だろうという仮説を思いついた。
走行中のオートバイは様々な場所で様々な方向の振動をしているけど、その振動の中でフロントサスペンションの動きを妨げる振動を 新設バーエント ウエイトが減らしたのだろうと考えたのだ。

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オートバイを正面から見て、左右のハンドル端部(バーエンド)がハンドル中央部を軸に回転するように上下する振動成分があり、その振動成分はフロントフォークのスムーズな伸縮を妨げる様に働く。 が、バーエンド ウエイトによって 様々な方向の振動が抑えられたので、その結果でフロントフォークの動作摩擦(フリクション)が減り、サスペンションの作動性が高まり、タイヤの接地性も良くなって、乗り心地やグリップ感の向上に繋がっているのだろう。

では、一番期待しているターン(旋回)に与える影響はどうだろう?
 
 
『 バンクさせた時の挙動は? 』

専用のテスト可能なエリアで、最初は 60g仕様のまま、直進状態からバンクさせてターンインさせた直後のステアリング周りの安定性を確認するテストを行なった。
その結果は、一般道・直進路で感じた時と同じく、「 重さは感じられるが、安定感は高くなった 」だった。
 
この効果が出たのも余分な振動成分が減ったためという仮説が考えられる。
ただ、今回の振動成分は、ステアリング(ハンドル)の回転軸を中心にハンドル端部が回転方向に振動する、ステアリング軸周りの振動成分だ。

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このステアリング軸周りの 回転振動成分は、直立・直進走行している場合にはあまり気づかないけど、バンクさせる時にはオートバイに左右非対称な力を加えるので、左右の力のバランスが崩れた時には顔を出しやすいのだろう。
 

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もちろん、バンクさせて暫くすれば、タイヤのトレッド面が路面との間で起こした振動は収まり、フロントフォークの上下振動も収まるので、そのステアリング軸周りの振動は収まる。

しかし、低速時やバンク角が大きい時には振動が発生しやすい。それなのに、今まではバーエンド にウエイト(重り)をつけていなかったので、ステアリング軸周りの振動成分が抑えきれず、フロントタイヤの方向安定性を減らし、タイヤのグリップ感を減らしてしまい、“ 怖さ ”を与えていたのだろう。
 
一度走った後、ウエイトを全て外して、昨日までの状態(ウエイト 0g)と較べてみれば明らかだ。 その不定感の違いは大きく、もうウエイト 0gには戻れない。
では、ウエイトは 何g にしようか?
 
 
『 48gか? 60gか? 』

次に、ワッシャー枚数を3枚にして、ウエイト 36gを試した。
確かに、ウエイト 0g  の場合よりも安定感は増しているけど、不安定感をは一掃できずに残っている。もう少しウエイト増やす必要がありそうだ。
 
次は、ワッシャーを 4枚、ウエイト 48g で試してみると、ステアリング軸周りの回転振動もずっと少なく、バンク開始時の重さも不快に感じられない。
かと言って、60g の時の安定感は忘れ難いが、あのバンク開始時の重さ感は ・・・。
 
どちらにしても、ステアリングとフロントサスペンション周りと上手にバランスする最適なウエイトは見つかるだろうし、見つかれば ウエイトを削り出して綺麗に整えたい。
参考までに、市販車両に装着されているバーエンド ウエイトはもっと重く、軽い場合でも 片側100g以上で、重い場合には 200g以上の場合もある様だが、それもメーカー側が設定した 操縦安定性にするためだ。(でも、か弱い僕の好みではない)
  
  
『 その他・考察 』

■ 振動系の制振機能 ■

〇 バーエント ウエイトは、フロント周り、特にステアリング周りで発生している様々な振動が操縦性や安定性に悪い影響を与えない様に、制振用ゴムを介して取り付ける事によって、別の一つの振動体として全体の振動バランスを中和する働きをしている。

〇 慣性質量を持つ物体として安定成分に寄与しているとも考えられるが、例えハンドル両端に装着されていると云っても、高速で回転するエンジンやホイール(タイヤ)や、もっと重い部品の存在を考えれば、バーエンド ウエイトは慣性質量としての働きより制振用ウエイトとして考える方が良い。

〇 よく「エンジン振動がハンドルに伝わり、それによる手の疲れを抑えるのがバーエンンド ウエイト」とも言われているが正しくないだろう。特に、エンジン振動が単気筒や2気筒に較べてずっと少ない 4 気筒エンジン車ならばそうだろう。

■ 最適なウエイト探しの提案 ■

〇 一般に バーエンド ウエイトは重い程に 安定性が高くなり、軽いほどに操縦性が良くなるが、最適なウエイトはオーナーの使い方や体格、感性によって決まるものだ。だから、車両の現在の操縦安定性に多少でも我慢しているのなら、最適なバーエンド ウエイト(重り)探しを提案したい。社外製品で多くの種類も販売されているのだ。
 
〇 特に、高速道路では不満は無いけど、狭い市街地道路では車両の重さを強く感じてしまう場合には、より軽いバーエンド ウエイトへの変更も一手だ。
 
■ 注意事項 ■

〇 車両の操縦性や安定性をバランス良く保つ為には、ステムベアリングの点検整備を欠かさず、タイヤとサスペンションの整備・交換を行ない、ケーブルなどの取り回しによるステアリングの引っ掛かりを抑える事が大切で、バーエント ウエイトはその次の課題だろう。
 
〇 ステアリング(ハンドル)周りに用品を追加装着している人は要注意!
グリップヒーターや スマホスタンド、ドライブレコーダーなどを装着した場合には、それが 100g程度の用品だとしても、必ず操縦・安定性には悪い影響が出る事は認識すべきで、特に左右非対称に用品を装着すればもっと影響は大きくなります。
車両自体の安全性能を高く保つ事を考えるならば、そういう追加装着は最小限に留めるべきだろう。
  
  

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ダンパー問題

ダンパー、ニュースで注目されて嬉しい。
車や電車、飛行機で安全の為に毎日働いている大切な部品だ。
これを機会に初期性能より低下した部品の交換議論も欲しい。
建物のは殆ど働いていないから良いけどね。

全ての車やオートバイにも必ずダンパーは装着されている。
安全の為に、タイヤ、ブレーキに次ぐ大切な部品だ。
でも、使うほど初期性能が下がっているのに、タイヤほど注目されていない。
タイヤやブレーキと同様に定期交換が当たり前なのに。


まるで、恥ずかしい“いじめ” だね。
より多くの人の安全に関わっている事を見ずに、ほころびだけを突くなんて。
今回のニュースをきっかけに他の誰かを非難するだけではなく、
自分自身が乗っている車両のダンパーの定期交換をしなくては。

浮揚感、少し

「 アレをしなくては! 」
「 コレも遅れずに済ませなくては! 」


決して全てをやり遂げられない日々から離れ、
本当に大切なコト、生きるべき方向を求め、
日々の束縛を離れてから 2か月。

一見、心地良い浮遊感の中、
緩やかに堕ちていく感覚も覚えていた。
下手にもがくコト無く、何も見えない世界で漂っていた。

が、先日、ようやく変化を感じた。
ほんの少しだが、“ 浮揚感 ” を感じた。
もしかすると、堕ちが止まったのかも知れないがそれで十分。

これで、ようやく次への道が拓けてくる、そんな予感だけで十分だ。
やはり、人は人の中で人になる真実こそが基本だ。

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大阪市中央公会堂からの帰り道でのアンモラル

大阪市中央公会堂

月に一回のペースで開催しているイベント・『 話すオートバイ講座 』の為、先日(10/13)大阪市中央公会堂へ行ってきた。

この大阪市中央公会堂は、ご存知の人も多いと思うけど、100年以上前に造られたネオルネッサンス様式の建物で、美しい外観や内部意匠、歴史的重要性から国の重要文化財に指定されている建物だ。
ただ、重要文化財といっても市民利用に開かれた運用されていて、講演や集会、会議など用に活用され、最近ではブライダル用途によく利用されている。

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『 帰り道でのアンモラル 』

イベント終了後、夜、帰り道で出会ったアンモラルを紹介する。

大阪市中央公会堂を出た直後、建物に面した歩道(公道)の上、幅3m弱の歩道の上に 3トンワイドボディのアルミバン(トラック)が駐車していた。
歩道の殆どを塞ぐ様に停められていたトラックは ブライダル業者が器材の搬出用に使っている様で、黒いスーツで身を固めた若者達が忙しそうに積み込みをしていたが、これはダメでしょう。
歩道に残されたスペースは 90㎝も無く、車椅子の人が通行できない。
その上、歩道に残されたスペースさえ塞ぐ様に、黒いパンツスーツを着た20代半ばの女性が機材積み込み指示の為か、歩く人の存在を無視する様に背を向けて立っていた。
 

『 その女性の言葉 』

そのトラックの停め方と搬出指定場所以外での作業により、多くの人に不利益を与えているので無視はできない。 早速、歩道を塞いでいる女性に、「 歩道にこんな停め方していると迷惑だよ 」と声を掛けた。

すると女性、残り少なくなった歩道上で身体を半身に回転させて言った。
「 さあ、通って 」と。

信じられない。
道路交通法違反行為によって他者に迷惑を掛け続けている事を省みず、文句を言った者(文句ではないが)だけに対処するなんて。
そこで、改めて違法と迷惑行為を指摘すると、アンモラルを上塗りする言葉を返してきた。
「 使用許可は取っていますので 」と。

救いがたい人だ。
使用許可の条件や 許可された場合に行なうべき要件には明らかに反している。
「 下手な嘘をつくなよ 」と諭すと、その女性、そっぽを向いて離れて行った。
近くて搬出作業をしていた2~3名の黒スーツ姿の男性から 「 どうもすみません 」と謝られたが、トラックはそのまま、作業は続いている。

少なくとも法人名義で仕事をする限りは、社会的な責任を十分に配慮しなくてはならない。
しかもブライダル業ならば、晴れの日を汚し新郎新婦の信任を裏切る行為をするべきではないし、施設側の指示にも背いて同施設への信頼も汚す行為をしてはならないだろう。

 

大阪市注公会堂側の対応 』

最初は半分あきらめで帰路についたが、やはり放っておけないと考え、大阪市中央公会堂へと引き返した。せめて、そのブライダル業者名を聞き出し、業者の管理責任者に直接注意を促すためだ。

最初に窓口で対応してくれた女性は思慮に欠ける対応だった。
「 個人情報なのでお教えする事はできません 」

どういう状況で窓口に来ているのかを確認せず、ただ面倒なのか。勤務している施設の信頼に関わる用件なのに哀しいね。それに言葉の勉強が必要だ。個人情報保護法の対象となる案件ではない。
それでも彼女は少し賢かった。重ねて用件を伝えると、年配の男性を呼び出してくれた。

現れた男性は用件を聞くと、直ぐに現場の歩道へと行き、担当者への聞き取りと指示を行なってくれたようだ。
彼は管理事務所に戻り次第、「 業者の担当者には直ぐに移動する様に指示をしたので、間もなく移動すると思います 」と回答をしてくれた。

聡明で迅速な彼ならば、同施設の利用者だけでなく、歩道利用者に迷惑を与える行為を排除してくれるだろうし、迷惑を省みない者の施設利用にも制御してくれるだろう。
何しろ重要文化財の管理委託をされている会社の責任者であれば、設備の管理だけでなく、施設の名誉と信頼を守るのも仕事だからだ。

期待していますよ。